石垣市 新ゲート「知らなかった」 防衛省に「大変遺憾」と抗議
- 2020年09月15日
- 地域・教育
平得大俣への陸上自衛隊配備計画をめぐり、隣接する開南集落側に新たなゲートが計画されていることが判明した問題で、石垣市は14日、「生活環境への影響が考えられるにもかかわらず、本市と地域住民への事前説明がなく報道で初めて知ることになり、大変遺憾」と抗議し、事前に公表・説明するよう9日付文書で沖縄防衛局に申し入れたことを明らかにした。9月定例市議会で大濱明彦氏の一般質問に答えた。中山義隆市長によると、防衛局による説明会が近く開催される見通し。
新ゲートは、石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会が8月21日、情報公開請求で石垣市から入手した施設利用計画図(施設配置)で判明した。同図は、沖縄防衛局がことし7月3日付で提出した「伐採及び伐採後の造林の届け書」に添付されたもの。市は同6日に受理していた。
図面では、防衛局が住民説明会で配布した施設整備の概要とは違い、グラウンド側に道路とゲートが新たに計画されている。グラウンドも開南集落と県道側に隣接する場所に寄っている。
中山義隆市長は答弁で「9月8日の新聞報道で承知した。防衛省から市に対して資料が提出されたとのことだが、私自身認識していないし、防衛省からの報告もなかった」と説明、「近いうちに防衛局が説明会を設けると考えている。私どもは手元に詳細な設計を持っていないので、その時に質問してもらいたい」と述べた。
大濱氏は「ゲート前は子どもたちの通学路でもある」として中止を求め、中山市長は「詳細を聞いてみないと影響があるかどうか分からない、確認しないうちに中止を申し入れることはできない」とした。
一方、グラウンドについて知念永一郎総務部長は「位置変更はないものと考えている」との認識を示した。新ゲート計画については「防衛局に確認したところ、住民説明会の資料には記載していないが、駐屯地は災害時に救援拠点として活用し得ると説明しており、グラウンドのゲートを設け、常時使用ではなく、災害時の救援で各種車両のスムーズな通行を踏まえて検討したとのことだった」と述べた。
市は新ゲート計画を知らなかったとしたことについて、傍聴した反対住民の女性(75)は「防衛局から資料が出ているのに知らないわけがない。市長は何のための市長か」となお不信の目を向けた。
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