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「貴重な視覚資料」平和学習への活用呼び掛け 刊行実行委員会

「絵が語る八重山の戦争」著者の潮平正道さん(前列左)と三木健刊行委員長(同右)ら=11日午後、大濱泉信記念館

「絵が語る八重山の戦争」著者の潮平正道さん(前列左)と三木健刊行委員長(同右)ら=11日午後、大濱泉信記念館

潮平正道著「絵が語る八重山の戦争」

 潮平正道著「絵が語る八重山の戦争」(南山舎発行)を刊行した刊行実行委員会の三木健会長と委員らが11日、大濱泉信記念館で会見し、「視覚で八重山の戦争を訴える貴重な資料。子供たちにも分かりやすく戦争を伝えることができる」と意義を強調、学校現場などの平和教育への活用を呼び掛けた。

 潮平さん(87)は戦時中、旧制中学1年生で鉄血勤皇隊に所属。1、2年生は自宅から通って軍作業に従事していたため、軍隊と住民生活の両方を体験。強制避難先の名蔵白水ではマラリア悲劇も目撃した。

 20数年前から小学校の平和学習で講演するようになったが、低学年には伝わりにくいと感じ、自ら体験したことを絵にして説明したところ理解されるように。これがきっかけで見聞きしたことをデッサンしてきた。

 著書には58点の絵に、長女の久原道代さん(57)と孫の久原望未さん(19)が聞き書きした内容を掲載。一枚の絵と短い文章で完結する形に仕上げた。低学年にも分かるよう、4年生以上で習う漢字にルビを振っている。

 三木委員長は「米軍が上陸した本島などでは写真やフィルムが残っているが、八重山には残っていない。今回、視覚に訴えるものを潮平さんが出したことは歴史的にも意義がある。平和教育に悩む学校現場で大いに活用してもらいたい」と述べた。

 刊行委員の江川義久さんも「想像力をかき立てられる」、宮良純一郎さんは「想像力を膨らませ、自ら考える平和学習に」と活用を促した。

 潮平さんは「鉄血勤皇隊でさまざまな作業をさせられた。民間人よりも深く戦争を体験することができた。これが絵の材料になっている。体験者が少なくなる反面、戦争を知らない人たちが増えている。本を通して体験を伝えたい」と述べ、「いくつか描きたい絵がある」と意欲も語った。

 郷土史家の大田静男さんは「特徴はアリの目。地をはいずり回る民衆の目で描かれている。どんどん描いてほしい」と期待した。

 過去に2度開催された潮平正道デッサン展に関わった八重洋一郎さんは「たくさんの方がいらして、確かな情報に飢えていると感じた。出版の意義は大きい」と喜んだ。

 8月15日に出版され、同月末から市内の書店で販売されている。税抜き価格1800円。159ページ。

  • タグ: 絵が語る八重山の戦争潮平正道南山舎
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