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潮平正道さんの「絵が語る八重山の戦争」…

 潮平正道さんの「絵が語る八重山の戦争」(南山舎)を読み、見た。そのうちの一点「カーブヤー」は、古い町並みの上空に、四角いたこが長い尻尾を垂らして浮いている光景を描いた作品だ▼ページをめくっていくと、このあとは、竹やり訓練や防空壕(ごう)、マラリアなどが登場する。すると、たこ揚げが戦争の前触れのように見えてしまう▼たこ揚げのことは、筆者は八重山でも台湾でも取材したことがあるが、戦火と結びつけてみたことはなかった。本書が収録する一連の作品をトータルに眺めていくことで、戦争とは一見無関係なコトやモノに別の一面が潜んでいることに気付かされる▼ジャーナリストの三木健さんは、潮平さんの絵以外に「八重山戦に関して視覚的に訴えるものが、今のところ見あたらない」と指摘する。潮平さん自身は本書のあとがきに「言葉だけでは戦争の実像を伝えることが難しい」と書き、八重山の戦争を絵で記録する意義を説明している▼戦争体験者たちが当時の記憶を振り返りながら語る姿は映像や文字でこれまでにも記録されてきた。潮平さんの作品によって、絵による記録という新たな要素が加わったことになる▼メディアを超えて記録される戦争体験をどう伝えていくか。手に取る人に問い掛けてくる画集である。(松田良孝)

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