祖霊を迎えるンカイ コロナ禍の旧盆初日
祖先の霊を供養するソーロン(旧盆)が8月31日、八重山郡内各地で始まり、各家で先祖の霊を迎え入れるンカイ(迎え)の行事が行われた。ことしは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、親戚へのあいさつ回りを減らすなど小規模の旧盆に。各家庭で先祖を迎え、先祖供養やコロナ禍の終息、家内安全を願った。
このうち、黒島弘さん(61)宅=登野城=では午後3時に「ンカイビ」(迎え火)を玄関前で焚き、先祖の霊を迎えて旧盆行事がスタート。
仏壇には、妻・和美さん(58)が手掛けたジューシーや高級魚アカジン(和名スジアラ)のだしを使ったアーサ汁や刺し身を供えておもてなし。仏壇周りには灯籠や、つえ(グサン)となるサトウキビのほか、果物などが並べられた。
この日、長男・弘義さん(36)、長女・美和さん(33)や孫ら計11人が集まり、にぎやかな旧盆初日を迎えた。仏壇に手を合わせた弘さんは「世の中が大変なことになっている。新型コロナをなんとか撃退してほしいと伝え、ヤーニンジュウ(家族)の健康も願った。3日間、おいしい物を食べて見守ってほしい」と話した。
コロナ禍で登野城字会は、旧盆行事のアンガマを中止に。同会の青年会長を務めた経験がある長男・弘義さんは「地域行事がないのは寂しいが、仕方ないと思う。毎年あったものがなくなったことで、その大切さを痛感した」と話す。
長女・美和さんは「みんなでお盆を迎えられることが尊いことだと感じている。来年はいつも通りのお盆ができたら」と心境を語った。
ことしは新型コロナの影響で八重山郡内の旧盆行事が相次いで中止に。石垣市、竹富町のアンガマや与那国島のエイサー、波照間島のムシャーマも中止となった。旧盆明けに行われる邪気払いのイタシキバラは、無観客で縮小実施する地域もある。
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