八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

「当時のことを思うと実に一心不乱にやった…

 「当時のことを思うと実に一心不乱にやったわけです」。日本新聞博物館「ニュースパーク」の企画展「沖縄戦と新聞人」で、沖縄戦の中で新聞発行に携わった記者たちの言葉が紹介されている▼戦後、「沖縄タイムス」の創刊に参加した牧港篤三さんは、第32軍の壕(ごう)で取材し、それが戦況を粉飾した記事として紙面を飾る。「今考えると実にバカなことをやったもんだという感じですね」▼企画展の趣旨説明には「新聞は軍部と歩調を合わせて国民を戦争に駆り立てた」とあった。戦後のジャーナリズムはこうした反省から出発した▼牧港さんの言葉を読んでいて、しかし、ことはそれほど簡単ではないと気づく。だれだって、自ら任じた使命に一心不乱になることがある。その姿は時に尊い。誤った方向へ走っていたとしても、すぐには気付かないかもしれない▼新型コロナウイルスで生活の変容が求められる今という時期は、戦時になぞらえられることがある。取材者たちは一心不乱に新型コロナがもたらす影響を追いかけている。そこに落とし穴があった時、取り返しのつかない状態になる前に引き返せるか▼ひとつのポイントは、立ち止まり、周りを見回す余裕があるかどうかだ。一心不乱な自らを省みる余裕を奪うのは、戦争だけとは限らない。(松田良孝)

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム