与那国ー台湾 高速船事業 来月始動へ
【与那国】与那国島と台湾間を高速船で結び、ボーダーツーリズム(国境旅行)を実現させる与那国町の国境交流結節点化推進事業が、9月初旬ごろ本格始動する。2021年度には与那国ー台湾間で高速船を就航させ社会実験を行うスケジュール。今年度は社会実験に向けた準備を進める予定だが、新型コロナウイルスの影響で台湾渡航が難しいため今秋予定する需要調査に課題も出ている。
結節点事業で町は、20年度一般会計予算で調査委託費4200万円を確保している。29日までに、公募型プロポーザルを実施、事業者を内定した。9月初旬までに事業者と契約し、同事業がスタートすることになる。
委託業務は、企画を担保する法的根拠の整理や諸条件の整備が主な内容。具体的には▽検疫出張所設置に向けた可能性の検討▽与那国2港(祖納港、久部良港)と花蓮港の港湾コンディション評価▽花蓮市圏域、台湾圏域の市場動向把握▽社会実験企画の準備▽ボーダーツーリズムの商品化|など。
直近の課題は、台湾での需要調査。台湾は日本からの渡航者に対し、入国制限や入国後の行動制限措置を取っていることから、コロナ禍で台湾入りが難しく、現時点で調査手法は具体的に確立していない。このため町は今後、沖縄産業振興公社の台北事務所と調査手法の内容を詰める予定。
21年度から予定している実証実験では年2~3回の実施を目指し、3~4年かけて実績を積みたい考えだ。
企画財政課の小嶺長典課長は「今年度で必ず整理して、来年の実証実験に結びつけたい。結びつかなくても手続きに向けての作業手順や認可申請は残る。実証実験が来年できなくても、再来年以降も使える」と強調。「今後、旅行商品も考えていく。国内側からも呼び込んでいく双方向のボーダーツーリズムにしたい」と意気込んでいる。
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