与那国町 島内で検査体制構築
- 2020年08月20日
- 政治・行政
【与那国】町は19日までに、島内で新型コロナウイルスの感染を調べる独自の体制を構築した。町立与那国診療所の指定管理者「公益社団法人地域医療振興協会」協力の下、島内で抗原検査の陰陽判定とPCR検体採取が可能に。診療所医師が町内施設で検査・採取を行い、受検者はPCR検査結果が出るまで同施設に待機する。石垣市新型コロナ相談外来や感染症指定医療機関の県立八重山病院がある石垣島から約120㌔離れているため、移動に伴う町民の負担と感染リスクの軽減を図る。
これまで新型コロナの感染疑い者は疑似症でなければ、島から同院に移送することができなかった。既に発熱者や新型コロナに類似する症状の患者も発生していることから、疑い者が島にいながら結果判明につなげる仕組みが急務となっていた。
疑い者が検査を受けるため石垣島に渡航する際、航空機やフェリーで他の一般客と接触するリスクがあるほか、PCR検査の結果が分かるまでの間、石垣島で滞在する施設の確保が難しいという課題もあった。
今回の体制構築ですでにPCR検体採取は可能。抗原検査も検査キットがそろい次第、来週にも運用を始める。
町や診療所によると、抗原検査は①感染疑い者が診療所に電話して問診②医師が行動歴や感染者との濃厚接触歴を確認した上で受検を判断③祖納集落の集会施設「ドゥライドゥグル」で検査―の流れ。結果は30~40分で分かる。厚生労働省が改定したガイドラインに則り、発症2~9日目の患者に限り、抗原検査で陰性となった人には追加のPCR検査を行わない。
PCR検査の対象は、問診で感染者と濃厚接触の疑いが強い無症状者。うるま市の県衛生環境研究所に送り、行政検査する。結果が判明するまでの2~3日間は、集会施設に滞在して他人との接触を断つ。施設にはシャワールームも完備されており、町職員が食事などの生活をサポートする。
県が示したPCR検査対象枠(高齢者、基礎疾患保有者など)の基準を適用せず、老若男女を問わない。県地域保健課は取材に「与那国町も含め八重山は受検体制が逼迫(ひっぱく)していない。医療施設、療養施設、検体採取場所、通常の外来、入院患者を診る医療機関の役割が機能していれば枠を絞らなくてもいいと考える」としている。
町の南風原弘明長寿福祉課長は「できるだけ島で完結できるよう取り組み、関係機関の協力で体制を構築できた。誰でも検査を受けられるわけではないので、まずは問診を受けてもらいたい。陽性者は海保のヘリか船で八重山病院に搬送する」と話した。
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