「やってくれた!」「価値ある優勝だ」
2020年沖縄県高校野球夏季大会の八重高―KBC未来の決勝戦は新型コロナウイルス感染拡大の影響で準決勝に続き無観客試合に。地元でも学校などでの集団観戦を控え、それぞれが自宅のテレビ画面を通して声援を送り、八重高初優勝の感動を分かち合った。インターネット上も、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)の通知音が鳴り続け祝福の嵐だった。
■見事な全員野球
準Vメンバー
32年前の準優勝メンバーのうち4人が当時の副主将・伊舎堂用右さん(49)宅=登野城=に集まった。五回の集中打による一挙4得点に割れんばかりの拍手と歓声。最終回のピンチにヒヤヒヤ、ドキドキ。ゲームセットの瞬間、「やったー」「よっしゃー」と喜びを爆発させ、クラッカーを鳴らして祝福した。選手とともに校歌を斉唱し、目をまっ赤にした。
小底正弘さん(49)は「部員同士が信頼し合っているチーム。自分たち以上に信頼関係があると感じた。決勝進出に32年もかかったが、ようやく優勝できて本当にうれしい」と興奮が収まらない。
西原孝之さん(51)は「粘りの全員野球。見事というしかない。子どもたちが優勝という一つの目標に向かって練習に取り組んできた結果が最後の大会で出た。本当に素晴らしい。やってくれた。うれしい」と声を詰まらせた。
知念高校野球部OBで八重高野球部OBと交友を続ける石垣第二中学校教諭の知念正成さん(50)も友情応援。3年生全員出場の優勝に「チーム全員で戦っていた。甲子園以上に価値があると思う。感動した。これしかない」と絶賛した。
■団結して頑張った
八重山野球連盟 前泊正純会長
八、九回を抑えた投手の好投に尽きる。自分たちの力を発揮して、団結して頑張っていた。八重山商工に続いて、沖縄県のトップに立ったことは小中学生の励みになる。
今大会は興南、沖縄尚学でも負けている。小さい学校でも、練習を重ねたら勝てるということだ。
近年、八重山の高校野球のレベルは上がっており、どこが優勝してもおかしくない。来年が楽しみだ。
■大きな壁を乗り越えた
八重山高校 黒島直人校長
『冷静、自信、圧倒』の言葉通りの全員野球で優勝旗をものにした。よく耐え、よく練習した成果が表れ、大きな壁を乗り越えた。球場に校歌が流れた時のあの感動は君たちのおかげ。本当にありがとう。
■思わず涙が出た
八重高34期野球部OB 歌手・ミヤギマモルさん
自宅のテレビで観戦。優勝を決めた時は、自分たちの時代のことや、コロナで苦労しただろう彼らや父母のことを思い、思わず涙が出た。ピンチの時も笑顔で戦う姿に、こちらも落ち着いて見ることができた。人生はいろいろなことがあるが、今回の経験をバネに頑張っていってほしい。
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