観光再開に期待と不安 3市町、あすから受け入れ
- 2020年05月31日
- 社会・経済
八重山3市町は6月1日、新型コロナウイルス感染拡大防止を徹底するという条件付きで観光客の受け入れを再開する。石垣―本土を結ぶ航空路線の再開が本格化する6月中旬以降、観光客が増加すると見込まれているが、本土では北九州市で「第2波」の感染拡大がすでに懸念されている。「経済が戻る」「第2波がこわい」。八重山の観光関連事業者や住民に期待と不安が交錯する。
6月から臨時休業を解除する市内ホテルの担当者によると、7〜8月の予約は対前年比の半分ほど入っている。「経済全体が滞っていたので、観光客受け入れで少しは経済が戻ってくれたら」と歓迎する一方、「第2波がすぐ来ると夏場の観光が危うい。県外直行便が飛ぶことで(観光客増の)動きが出てくるのでは。期待と心配は半々」と複雑な胸中を語る。
市民には不安感も漂う。市内大川に住む女性(42)は「島は安全というイメージがあるのか、最近はマスクをしていない人も見かける」、新川に住む男性(42)は「正直怖い。すべてを受け入れてしまうと、前回のように外から持ち込まれる恐怖もある」と心配だ。
「再開すると、観光に携わらない人から冷たい目でみられる」との声も。西表島でマリンレジャー業を営む男性は、地元住民に警戒感があることから「観光客も居心地が悪くなるかもしれない」と住民感情を課題に挙げる。
予約状況は芳しくなく、夏場の予約中止も出始めているという。同男性は「営業を再開しても、観光客が気を使って離島行きを遠慮するのではないか」と予測した。
与那国町のある民宿は4月末から一部休業。仕事関係者のみを宿泊させ、観光客を断ってきた。6月から休業を全面解除し、関東圏から常連客を受け入れる。経営者の女性は「テレビでも北九州で第2波が出たと話題になっている。常連客からは『外出自粛していたから大丈夫』と言われたが心配」と心中穏やかでない。
観光客受け入れ再開に伴い3市町はそれぞれ対策を実施する。
石垣市は6月1日〜15日までの期間、南ぬ島石垣空港で観光客に対し▽マスク着用▽3密回避と感染防止ガイドラインの徹底▽体調チェック―などを呼び掛ける。竹富町は、水際対策としてユーグレナ石垣港離島ターミナルで定期船乗船時の検温検査を当分継続。与那国町は観光客らには宿泊先での検温や健康チェック、外出時のマスク着用などを求める。
運休中の本土直行便について全日本空輸(ANA)は6月5日から羽田―石垣路線を段階的に再開し、同16日以降は毎日運航する。日本トランスオーシャン航空(JTA)は6月18日から羽田―石垣路線、同26日から関西―石垣路線を再開する予定だ。
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