新型コロナで市内事業所 資金繰りに四苦八苦
- 2020年05月18日
- 社会・経済
新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが右肩下がりになっている事業所が資金繰りに四苦八苦しており、運転資金確保のためクラウドファンディング(CF)に乗り出す店舗も出始めている。すでに金融機関からつなぎ資金の融資を受けている事業所でも感染症の第2波を懸念し、追加融資も視野に入れるなど警戒感を強める。
公的助成金、金融機関の融資も受けたという市内の居酒屋=美崎町=は今月11日、スタッフの人件費や家賃など固定費確保のためCFを開始。4日間で、目標100万円のうち約30万円の寄付が集まった。賛同者には寄付金に最大2000円上乗せした食事券を配布し、コロナ収束後の集客につなげたい考えだ。
同店は、3~4月に30件400人以上のキャンセルを受け、4月から臨時休業に。売り上げは前年同月比9割減となった。担当者は「今までに経験したことのないほど売り上げが落ちた」と振り返り、「客がいなくても人件費、家賃の固定費は出るのでCFの資金は固定費に充てたい」と話す。
CFはインターネット経由で人や組織に財源の提供や協力を行う取り組み。市内でも飲食業のほかライブハウスなどさまざまな業種で運転資金確保にとCFを利用している。
飲食や観光業など、複数の事業所を経営する企業の担当者は、市の緊急事態宣言が一部解除された現在も飲食店の休業を継続。収益はゼロだが、出勤できないスタッフには通常通り月給を支払っている。休業補償を受けられる国の雇用調整助成金の申請に向け調整中だ。
既に金融機関の融資を受けいるため、当面の資金繰りはできているが、気がかりなのは新型コロナの再燃。今後、経済が徐々に回復するとみられる今夏の売り上げを前年の7割程度と予測する一方、秋ごろのコロナ第2波を懸念、追加融資の申し込みも視野に入れている。
担当者は「第2波が発生した場合、夏以降にさらなる融資を考えないといけない。金融機関は当面の資金繰りを支援するが、借りる方も貸す方も体力がなくなる。今後、いつまで融資を受けられるか分からないが、借りたとしても返せるか不安だ」と心境を語った。
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