養殖車エビ出荷落ち込む 年末生産にも影響か
- 2020年05月08日
- 社会・経済
臨時便に間に合わせようと活車エビを急ピッチで詰め込む従業員ら=7日午前、㈲石垣エビ養殖
水揚げされて間もない車エビ。8日まで臨時貨物便で県外へ出荷している=7日午前、㈲石垣エビ養殖
車エビの流通経路の拡充を訴える上地源光代表取締役=6日午後、㈲石垣エビ養殖
新型コロナウイルスの感染拡大による航空便の減便・運休で、八重山の養殖車エビの出荷が制限されている。4月は例年の3~6分の1程度しか出荷できず、養殖池にエビがあふれ酸欠死する恐れも出ている。このままでは、繁忙期となる年末の生産にも影響を及ぼしかねない。養殖会社は車エビのニーズが高い大阪や福岡など地方への便数拡充を求めている。
八重山郡内で営業する㈲石垣エビ養殖(上地源光代表取締役)=石垣市崎枝=、ユーグレナ竹富エビ養殖㈱(新田長男代表取締役社長)=竹富町竹富=、沖縄栽培水産㈱(藤本修平場長代行)=与那国町=によると、生きた状態の活車エビの出荷時期は長いところで11~7月まで。5月から新たに稚エビを育てる養殖場もある。商品は贈答用のほか、東京、大阪、福岡の空港を経由して国内のセリ市場に送っているが、減便・運休で3月から状況が一変し厳しさが増している。
石垣エビ養殖は昨年4月の出荷量12㌧に比べことしは3㌧と空輸便の縮小に苦しむ。上地代表は「今年はオリンピック需要を見込み8月出荷用の車エビを準備してきた。コロナでオリンピックは延期になり、出荷も思うようにいかない。このままでは池がパンクし年末用の生産が間に合わない」と声を落とす。「関西や中国地方など地方からの問い合わせが多いので、何とか地方空港に便を増やしてもらい、発送から翌朝のセリに間に合う体制をつくれないだろうか」と願う。
竹富エビ養殖では出荷が滞り、やむを得ず一部を冷凍用で保存しているが、冷凍庫の収容量は限界に近い。さらに、新田代表は供給が需要を上回ることによって売値が急に下がる値崩れを心配。「東京は流通が良く物が入るので一極化してしまい、エビのセリ値は例年に比べ3分の1に落ちている。地方の方が単価は上がると思うので地方に送りたい」と要望。
沖縄栽培水産の藤本場長代行も「臨時便を除くと送り先は東京に限定されている。運送会社から飛行機に積み込める量の連絡を受けるが、数量はかなり落ちている」と話した。
日本トランスオーシャン航空㈱(JTA)は6~8日まで那覇―石垣、宮古間で貨物専用臨時便を運航。その後は県や八重山市町会が運航支援を含め調整する方針だが、生産者は不安定な流通経路に懸念を抱いている。
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