与那国町議会最終本会議 新教育長に田原伊明氏
- 2020年03月19日
- 政治・行政
3月定例与那国町議会(前西原武三議長)の最終本会議が18日午後、同議場で開かれ、町当局は元中学校校長の田原伊明(よしあき)氏(63)=与那国町=を教育長にする人事案を上程、全会一致で承認された。同町の教育長は2017年6月以降、空席になっており、不在日数は1000日を超えていた。辞令交付は23日に行われる予定で同日、教育長不在が解消する。
教育長人事案の質疑で田里千代基氏は「新体制で定数の一部改正をして増やせないか」と教育委員の定数見直しを要望。外間町長は「新年度に入り、委員の意見を聞きながら過不足あれば検討していきたい」と答えた。討論はなかった。
田原氏は1984年、石垣中学校で教員生活をスタート。その後、久部良中学校で教頭、竹富町立船浦中学校、比川小学校、与那国中学校で校長を歴任した。
このほか、教育委員には前教育長の崎原用能氏、入慶田本たか子氏への同意案が上程され、承認された。教育委員の辞令交付は崎原氏は23日、入慶田本氏は4月1日付となる。
田里氏が提出した県知事宛ての「本土と沖縄の医療格差の是正を求める意見書」も可決した。
当初予定していた人権擁護委員候補者の推薦案は、教育委員に入慶田本氏が選出されため取り下げられた。
■田原伊明氏コメント
長い間、教育長が不在だったので、教育委員には大きな不安があったと思う。町民の一人として申し訳なく思う。
離島の与那国町には島出身の校長も少ない。初めて来る人もいるので、不安なく仕事ができる環境を作っていくことで子どもたちにも良い影響を与えられると思う。
■教育長人事
町長が妥協、不在に幕
「教育経験者」で野党合意
1000日余に渡る与那国町の教育長不在は、外間守吉町長が人選を妥協したことで決着、政治に左右された教育長不在問題に幕が下りた。新教育長は23日の辞令交付が決定。教育関係者からは安堵(あんど)の声が上がっている。
与那国町の教育長人事はこれまで3度否決。町長が自身の後援会関係者を上程してきたことに対し野党は反発を強め、野党多数の議会で否決し続けた。
ただ、外間町長は今議会開会までに、元中学校校長の田原伊明氏の人事案を与野党に伝達。「与那国出身の教育関係者」を求める野党と、教育長の長期不在を憂慮する与党との合意を得て、上程に至った。
採決後、外間町長は「ホッとしている。地域や学校に迷惑をかけた。これで教育行政も通常に戻ると思う」と感想。野党の田里千代基氏は「教育行政に空白をつくってしまい申し訳ない」「教育現場からの人選なので反対する理由はない」とそれぞれ取材に語った。
与那国町立小中学校校長教頭協会の会長で久部良中学校の座間味玲子校長は教育長誕生の一報を受け、「地元出身なので地域や学校現場のことを知っている方に決まってうれしい」と歓迎。「与那国町には本島から転勤してくる教諭も多い。彼らが十分に力を発揮できるよう教育環境を整えてほしい」と新教育長に要望した。
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