豚コレラ防疫対策 ワクチン接種の是非
八重山地域豚コレラ(CSF)防疫対策説明会が1月31日午後、八重山家畜保健衛生所(家保)であり、八重山地域の養豚への予防的ワクチン接種の是非について養豚農家らが意見交換をした。県は1月24日、国からワクチン接種推奨地域に指定されたが、現状の対象地域は本島のみ。今後、八重山も接種対象区域に指定するかどうか検討を進める。ワクチン接種はメリット・デメリット双方の面を持つ。養豚農家らは2月中に組合を設立し、組織としての方針を固めたい考えだ。
ワクチン接種推薦地域はCSFウイルスの感染リスクが高い地域。ワクチン接種はCSFの発症を抑え、ウイルスのまん延を防ぐ狙いがある。
県が示すワクチンのデメリットは▽接種した全ての豚が十分な抗体を得るとは限らない▽野外感染豚とワクチン接種豚が血清学的に区別できないことから移動制限が必要になる▽長期間のワクチン接種により費用が膨れる―など。
家保や農家によると、八重山地区では本島から計画的に母豚やアグー豚を仕入れている養豚農家は法人に多い。
仮に本島で接種を実施し、八重山で接種を行わない場合、接種した地域は国際獣疫事務局(OIE)の「非清浄地域」として流通が域内に制限されるため、本島から八重山へ豚を仕入れることができず、他地域から導入しなければならない。これにより、輸送コストの上昇、長時間移動による豚の衰弱率の高まりが懸念されている。
アグーを取り扱う農家は取材に「八重山全体で未接種が決まれば、本島から仕入れることができなくなる」と訴えた。
今後、県は本島版のワクチン接種プログラムを作製し接種開始を目指す。5日以降、発生農場を中心にした搬出制限区域(半径3~10㌔圏内)の清浄性確認検査を実施する。
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