ヒナイエリア利用制限へ 竹富町
【西表】竹富町は自然体験ツアーで人気を集める西表島北部のヒナイエリア(ヒナイ川、西田川)に対し利用制限をかける方針だ。エコツーリズム推進法を活用した国内で前例のない「特定自然観光資源」のエリア指定を目指す。このほか、仲間川、北東部、浦内川、南西部、海岸の各エリアでも一定ルールの下でツアーが可能な自然観光資源の指定も行う。二つのエリアを除いた世界自然遺産登録推薦区域は、原則観光目的の利用はできない。
規制は観光利用のみに適用され、住民の猟や学校行事など慣例的な利用は制限されない。
21日午後、竹富町離島振興総合センターで第2回竹富町西表島エコツーリズム推進協議会(町主催)が行われ、昨年11月から各エリアのワーキンググループが議論し取りまとめた「対象範囲」や「1日当たり案内可能な客数などの制限」について協議した。
環境省西表自然保護官事務所は、昨年3月末から12月上旬にかけヒナイエリアの利用者数をカウントしており、1日の最大利用者数はマーレ川~ヒナイ川で300人、西田川130人、ヒナイ川エリア全体360人程度だった。データを基に試算した年間推定値は、ヒナイ川エリア全体で4万人強。
現在、観光客の利用によりヒナイ川や上流の陸域では▽マングローブの根が損傷▽ピナイサーラの滝つぼのピーク時における過密化▽踏圧で歩道上の樹木の根や岩が削られるーなどの問題も発生。
同協議会は河川や山道、海の過剰利用を抑え自然環境を保全する目的で、フィールドでの利用ルールや立ち入り制限エリアを盛り込んだ「西表島エコツーリズム推進全体構想」を策定する。
ヒナイエリアの利用制限案は、ガイド1人当たりが案内できる利用客数、1事業者当たりが受け入れ可能な団体数の上限を設定する。
出席した委員からは「人数制限でヒナイエリアのツアーに参加できなかった観光客が、別のエリアへ流れてそこが荒らされないか」と懸念の声も。
自然観光資源候補の一部エリアでは、ガイド1事業者当たりの案内人数の上限が設定されておらず、「早めに設定すべきだ」と指摘も出た。
町は、ことし3月に第3回協議会を開き、エコツー全体構想案をまとめ、夏ごろ国の関係省庁へ提出する計画。
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