「廃止」か存続か 廃止案きょう上程
- 2019年12月16日
- 政治・行政
自らの地域は自らの手で築いていこうと自治の規範を定める石垣市自治基本条例は16日、12月定例市議会最終本会議で廃止案が上程される見通しだ。案策定から制定までに3年近くかかった条例は、調査研究を目的とした特別委5回の審議で「廃止すべきもの」との結論に至り、「二元代表制の円滑な運用には必ずしも有用な条例ではない」などとして提案される。
廃止案の施行日は来年4月1日。見直し時に審議会の設置を義務付けている条例第43条の逐条解説によると、主体の「市」には「議会」も含まれていることから、廃止案を提出すること自体が同条に反する可能性があり、仮に可決されたとしても有効性が問われることになりそうだ。
提案者の石垣亨氏は43条について「主語は『市』となっている。『議会』は当たらない」との認識を示しているが、逐条解説との違いをどう説明するか。廃止理由に挙げる社会情勢の変化と二元代表制にとっての非有用性についても詳細な説明がいまだになく、どう語られるのか。
廃止案は、石垣氏が仲間均、砥板芳行、我喜屋隆次、東内原とも子、友寄永三、長山家康、米盛初恵、石川勇作の自民会派8人の賛成を得て提出する予定。賛否は拮抗(きっこう)しており、採決に至った場合には公明石垣の石垣達也、「未来」の箕底用一と後上里厚司の非自民会派3氏の対応が注目される。
■もっと慎重な審議を
元審議会長の宮良さん
2009年の石垣市自治基本条例策定時と、2016年の見直し時に審議会会長を務めた宮良清盛さん(76)=登野城=が15日、八重山毎日新聞社の取材に応じ、16日の12月定例会最終本会議で廃止案が提出される議会に対し「いきなり廃止ではなく、もっと慎重な審議をお願いしたい」と要望した。
条例策定の取り組みは2007年2月に始まり、課長補佐・係長級職員によるワーキングチーム23回、庁内策定推進委員会4回、市民検討委員会14回、条例策定審議会11回の議論を経て09年5月1日、審議会から原案が答申された。2年余りの歳月をかけたことになる。
宮良さんは、本紙に掲載した策定審議報告で「行政と市民が協働でまちづくりを行うための条例でなければならない。従って、法令用語や難しい言葉はできるだけ使わず、市民が分かる条例にしていこうとの意見で一致、審議する上での視点の一つになった」として条文を一つ一つチェックした経過を説明している。
答申に当たって宮良さんは「条例に魂を入れるためにどうすればよいか」と▽適正に運用、実施されているか▽まちづくりの活動が条例の理念や基本原則の手続きにのっとって行われているかーを確認・点検・評価できる機能を設けるよう要望した。
「私たちは、市民が参画できるまちづくり、安心安全な暮らしができる石垣市を目指して誠心誠意審議した。その思いは今も変わらない」と振り返り、「見直しに当たっては、いきなり廃止の提案ではなく、必要でない部分をどう見直すか、多くの人の意見を聞きながら慎重に審議してもらいたい」と願っている。
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