効率的な病院経営を 医師定着へ教育環境充実の声
- 2019年10月15日
- 地域・教育
県立八重山病院(篠﨑裕子院長)の新築移転1周年を記念し、「新八重山病院1年の歩みと今後の課題~愛され信頼される病院になるために~」と題した講演会・意見交換会が13日午後、同院内で開かれた。旧病院に比べ1カ月当たりの入院・外来患者数が増え収益にも反映されている一方、委託料や減価償却費も増加し生産性向上に向け効率的な病院経営が求められている。意見交換会では医師確保について議論され、医師の家族ごと定着できるよう教育環境の充実について意見が出た。
新病院になって1カ月当たりの平均入院患者数は延べ6694人(236人増)、診療単価は4万5516円(4897円増)。個室増などで単価が増え、収益3億465円(4234万円増)となった。外来患者数は延べ1万6人(1258人増)と1万人を超えている。支出は減価償却費4734万円(2510万円増)、委託料5314万円(1069万円増)。効率化や簡素化を図り、圧縮を目指す方針。
今年度、新任した医師は全体58人の43%にあたる25人。毎年、医師を確保するため篠﨑院長らが奔走している。今年度7人いる小児科医が、次年度は1人になる可能性について報告があった。
意見交換には、市民や医療関係者が参加。医師定着をテーマに「子どもの進学で島を離れるケースが多い。ネームバリューのある進学校が必要。住居なども自治体と連携して環境を整えてほしい」と声が上がった。このほか、会計待ち時間を解消するためキャッシュレス化導入を要望する意見も。同院の担当者は「県立病院課で検討している。体制が整えば導入したい」と答えた。
八重山医療圏で起きている事として▽慢性的な医師不足・地域開業医の高齢化で診療制限や離島巡回診療の縮小▽管理栄養士などコメディカルの取り合い▽患者の給食調理業者が撤退し市内ホテルに流れている—などが紹介された。
篠﨑院長は職員の定着や会計待ちの時間短縮、職員の接遇改善へ「一人一人一丸になって取り組みたい」と決意を語った。
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