なごみの塔 保存修繕工事へ
- 2019年10月08日
- 地域・教育
【竹富】国指定登録有形文化財「なごみの塔」の保存修繕工事が、20日と21日に行われる種子取祭後に行われることが7日までに分かった。工期は2019年度末。同塔は老朽化で2016年9月から昇降できない状態が続いているが、文化財の価値を維持するため建て替えはできず、補修レベルでしか手を加えることができない。過去に塔を調査した国や県は「修繕後、以前のように不特定多数の人の利用は難しい」と意見しており、今後、竹富町と竹富公民館で協議し利用に制限をかける方針だ。
現在の塔は経年劣化が進みコンクリートの剥離やヒビ、鉄筋の腐食など状態が悪く、塔の昇降口を閉鎖し利用が禁止されている。
工事は文化財の価値、周囲の環境を損なわないよう配慮し▽高圧洗浄▽躯体や鉄筋のさび・剥落補修▽表面モルタル剥離の修理▽亀裂修理ーなどを行う。
現在の建築基準に満たない塔は、安全性強化のため階段や塔上部に手すりを付け、階段下には門扉を設置する。
工事費は1254万円。一括交付金を活用する。
町社会文化課の冝間正八課長は取材に対し「住民の方々が守ってきた文化財を残すため、一歩前進できた。今後は塔に負荷をかけないような利用ルールが大事になる」と話した。
なごみの塔は、島の西集落赤山公園内にあり、竹富島伝統的建造物群保存地区として昔ながらの赤瓦屋根が並ぶ町並みを眺望できる物見台。1953年に住民らが、4・5㍍の鉄筋コンクリート造りで建てた。当時は放送施設として使用されていた。島民に愛され、島のシンボルタワーとして観光スポットにもなっている。
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