市有地3筆で宿舎用地調査 山林含む可能性も
平得大俣への陸上配備計画をめぐり、沖縄防衛局が宿舎建設に向け測量調査などを実施している用地に、石垣市有地3筆が含まれていることが26日までに分かった。基準点の設置箇所や現場での作業などから、大本小学校北側の真栄里山の山林が含まれている可能性がある。石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会は23日、現地周辺を視察、「山を削るのか」と疑問視、情報開示を求めている。
連絡会が情報請求で市から入手した市有地への立ち入り申請・許可に関する資料によると、防衛局が宿舎用地の現地調査などの業務のために立ち入りを求めた市有地は3筆だが、字と地番は黒塗り。地目や面積は明らかにされておらず、防衛局は取材に対し「測量対象の土地については所有者との関係もあることからは答えは差し控えたい」としている。
ただ、基準点や目印のリボンなどの設置箇所、測量の受託業者の立ち入り場所などの確認状況から、連絡会は市有地が山林であるとの見方を示している。
この山林では9月7日、於茂登地区在住で連絡会共同代表の一人、嶺井善さんがネズミをくわえたカンムリワシが電柱にとまっているのを確認。営巣行為が見られたため、関係機関に連絡、測量業者にも立ち入りを控えるよう求めたが、山裾の一部を伐採して測量を行っていたという。
大本小近くの県道87号では15日、交通事故に遭ったとみられるカンムリワシがガードレール下に横たわっているのが見つかり、保護されたもののまもなく死んだ事例がある。
連絡会や周辺住民は「山を削ってまで宿舎を建設するのか。誰が考えてもおかしい。あるいは車両を通すためのものか。こそこそやっているので何も分からない」と不安を募らせている。
防衛局は2018年11月21日に開いた周辺4地区対象の説明会で、駐屯地以外の隊員宿舎として駐屯地周辺に約30戸、市街地に約170戸の集合住宅を建設する計画を明らかにしている。
用地取得のための調査業務は測量、不動産鑑定評価、補償物件調査の3業務で範囲は大川長間など4地区の10筆1.5㌶。9月30日が履行期限となっている。
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