八重山病院 災害時の医療体制考える
- 2019年09月14日
- 地域・教育
八重山の災害医療について考えるセミナー(県立八重山病院主催)が12日夜、同院で行われた。一般財団法人救急振興財団会長・山本保博、厚生労働省DMAT事務局長・小井土雄一、日本赤十字災害医療コーディネーター・佐々木秀章の3氏による特別講演やディスカッションが行われた。病院や竹富町、石垣市関係者、海上保安庁などから約120人が参加し、八重山圏域で災害発生時の医療体制について考えた。
山本氏は、阪神淡路大震災を教訓とした初期対応について▽DMATの迅速対応▽地域の協力・調和を図りながら自助・共助の迅速対応▽地域全体の防災意識の向上と、被災後の復元力の強化|を重要項目とし、「防災、減災、復元性を考慮して都市計画をつくることが大切」と述べた。
小井土氏は「災害の本質を見抜く目が大事」とし、籠城支援の課題、保健医療調整本部の確立など災害対応の課題を挙げた。
佐々木氏は、県の災害医療体制と八重山について講話した。
ディスカッションでは、重症患者を八重山圏域外へ航空機やヘリコプターで搬送する体制を討論。空港までの陸路が閉ざされ患者搬送ができない可能性への指摘があった一方、山本氏は、空路だけにとらわれず海外で運用している「病院船構想」を示した。「アメリカでは1000床を有する病院船もある。船の搬送もこれからの災害医療分野でディスカッションが必要」と提案。小井土氏は、県単独でなく九州レベルでの防災・災害医療訓練の実施を求めた。
参加者から「発災後、後続の医療応援部隊到着も時間がかかると思う。医療スタッフのケアはどうすればいいか」と質問があり、佐々木氏は、東日本大震災で石巻赤十字病院がとった対応を紹介。「病院職員も被災者になる。病院近くのホテルを病院が1棟丸ごと借り上げた。職員専用の保育所も設置し、お子さんを預けて勤務できる体制もとった」と説明した。
このほか、「災害時の応援協定を近隣の台湾と結んではどうか」などの意見も出た。
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