コウモリ繁殖が増加 全国初の人工洞窟で効果
- 2019年07月25日
- 地域・教育
南ぬ島石垣空港内や周辺の自然環境などのモニタリング調査結果を協議する第14回新石垣空港事後調査委員会(委員長・香村眞徳琉球大学名誉教授、委員10人)が24日、八重山合同庁舎で開かれ、希少植物やオオハナサキガエル、小型コウモリ、地下水などのモニタリング結果が報告された。調査は2018年度でほぼ終わり、委員らは今後の維持管理の計画などを確認した。次回は来年2月ごろ開かれる。
会議では、調査対象の洞窟の一つに生息するリュウキュウユビナガコウモリの個体数の変動が激しいことが報告され、ほかの洞窟で繁殖している可能性が示唆された。また、コウモリ類保護で全国初となった人工洞窟ではカグラコウモリの繁殖が増加傾向にあり、奈良教育大学の前田喜四雄名誉教授は「人工洞窟の環境が良く、コウモリが繁殖に選んでいる可能性がある」と述べ、一定の効果を評価した。
ビオトープは周辺環境が良好に保たれており、3年連続でオオハナサキガエルの産卵が確認されたほか、ことしは少なくとも3回の産卵があったことなどが報告された。
兵庫県立大学の太田英利自然・環境科研究所教授は「石垣島には希少な水生昆虫も多数いる。保全の努力をしていくべきだ」と止水域全体の保全を強調するとともにビオトープへの外来生物の侵入を懸念した。
沖縄野鳥研究会の嵩原健二氏からは、今年度の管理計画について鳥類の識別の内訳を細かく分けることなどが提案された。
会議に先立ち、委員らは小型コウモリ類の生息する洞窟やカエル、水生昆虫などの生物が生息するビオトープなどを視察した。
調査は、空港着工前から開港後にかけて環境影響の程度や環境保全措置の効果を把握するもので、調査データは蓄積されている。
今年度はビオトープでの重要種の生息状況や水質、水位の確認調査を行う。
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