環境省 西表自然体験ツアー実数を調査
- 2019年07月06日
- 地域・教育
【西表】環境省西表自然保護管事務所は自然体験ツアー利用者を把握するため、ことし3月末から島内の世界自然遺産登録推薦地など9カ所に自動の利用者カウンターを設置し、実数調査を行っている。今後、各フィールドで人数の総量規制をかける際に基礎資料として活用するほか、長期的な調査を実施することで経年変化のデータも蓄積していく。同事務所は環境の保全対策や適正利用の促進につながると期待。カウンターは必要に応じて追加購入も検討している。
西表石垣国立公園内(西表)における同ツアー利用者は、今まで推定でしか人数を把握できていなかったが、カウンターを設置することでフィールド内に立ち入った人数のデータを細かく収集できる。
設置場所は▽ピナイサーラ(滝下歩道途中)▽ユツン(歩道入り口すぐ)▽白浜林道(白浜旧林道入り口)▽大見謝川(歩道入り口すぐ)▽浦内川上流(トイレ先)▽西田川▽横断道入り口(カンピレーの滝付近)▽仲良川(カヌー置き場奥)▽前良川(同)|の9カ所。
カウンターは一日の利用人数を15分おきにカウントでき、利用者が集中する時期や時間帯を知ることができる。データの回収は設置場所に出向き行う。
ただ、フィールドへの入域、出域数に誤差が生じることもあり、定期的に現地で実数をカウントし数値を補正する。
データによると、4月15日~5月15日の1カ月間で利用者が最も多かったピナイサーラの滝下の歩道では、3500人以上が通過し滝つぼに向かったことが分かった。
カウンターは人体の放射熱を検知できるセンサーが組み込まれており、歩行者の通行量を計測できる機器で、検知範囲は約4㍍。手動でデータを回収する場合、バッテリーの寿命は10年間。
西表自然保護管事務所の竹中康進上席保護官は、機器が正確にカウントできるよう「横並びでなく、1列で立ち止まらずに通過してほしい。カウンターが傾いているなど不具合があれば、西表自然保護管事務所に連絡をお願いしたい」と呼び掛けた。
今後、環境省では同じく世界自然遺産登録推薦地の沖縄島でも導入の検討を進めている。
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