障がい者の自立支援 「はらぺこポケット」パン工房オープン
- 2019年06月19日
- 社会・経済
社会福祉法人若夏会多機能型事業所八重山育成園(東金城達三施設長)が運営するパン工房「はらぺこポケット」が18日、シード線沿いの旧八重山病院近くにオープンした。昨年4月、みやぎ米屋㈱(宮城隆代表取締役)からパン製造用機器を譲り受け、開業に向けて準備を進めてきた。開店時刻の午前10時前にセレモニーを行い、工房の運営スタッフとなる同園の職員や利用者、関係者らが念願のオープンを祝った。
パン工房は、就労継続支援B型事業所である園の利用者に支払う工賃の引き上げのほか、若者が将来自立して働ける場所をつくる狙いもある。
店名は園の職員から募集し、「はらぺこさんのポケットにパンの数だけ笑顔があふれるように」とするテーマに決定した。
工房運営は、パンの製造スタッフを担う園の職員3人と、店頭販売クルーとなる利用者3人でスタート。園の鶏舎で生産される新鮮な卵を使用し、将来的に30種類の販売を目指す。
パン製造に必要な設備は、昨年1月に事業整理のため米飯弁当や米粉パン調理販売の「デリ&ベイカリーおいしょうり」を閉店したみやぎ米屋㈱が、不用となった厨房(ちゅうぼう)機器のオーブン、生地発酵機、ミキサーの計3台を無償譲渡した。
セレモニーでみやぎ米屋の宮城智一常務取締役は、1年ぶりに譲渡したパン製造機と再会し「食べる人が笑顔になるよう一緒に頑張りたい」と感慨深げ。
東金城施設長は「地域に支えられて、やっとこの日が来た。地域に愛される街のパン屋さんを目指したい」と喜び、チーフでパン製造技能士1級資格者の荻堂健太郎さんは「利用者に新しい可能性を与えられるだけでなく、若い子たちが目指して働きたくなるような場所にしたい」と抱負を語った。
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