今夕にも採捕停止か クロマグロ資源管理
- 2019年05月17日
- 社会・経済
資源回復を目的に都道府県別で漁獲枠が設けられているクロマグロ漁で、沖縄県では16日現在、99・3㌧と前期(4月1日~7月31日)の割当量114㌧の87%となっている。県は、割当量の95%に達した場合に採捕停止命令を発動する。県水産課によると、17日午後5時ごろにも停止となる可能性がある。八重山漁協所属の漁業者は資源管理に理解を示す一方、「数を取れない上に相場も安くなっており、踏んだり蹴ったりだ」と影響の大きさに落胆する。
県への割当量は海域別ではなく県全体を対象にしたもので、30㌔以上の大型が前期で127・2㌧。このうち、報告のタイムラグなどを考慮して12・2㌧を県の留保としているため、実質の割当量は115㌧で前期114㌧、後期(8月1日~来年3月31日)で1㌧。
漁獲量は16日で割当量の80%を超えていることから、県は同日、クロマグロを漁獲できないよう漁具漁法を改良したり、漁獲物を放流したりする早期是正措置に取り組むよう各漁協に通知した。
海洋生物資源の保存管理法は、採捕命令発動後に違反した場合、3年の懲役か200万円以下の罰金に処するとしている。
八漁協では昨年、387本、約70㌧の水揚げがあり、県全体の漁獲量約190㌧の37%を占めた。16日には17本、約2・8㌧の水揚げがあり、これまでのトータルでは148本、約31㌧。ことしの漁獲量は昨年の半分程度にまで制限される見通しだ。
八漁協によると、漁獲制限でキロ単価の上昇が期待されたが、本土のまき網漁が早くから水揚げしている影響からか、キロ単価が下落。最高値で半値程度にまで下がっているという。
県の是正措置通知を受け、八漁協では、出漁や操業を断念したマグロはえ縄漁船も。船長らは「どうせ釣っても放流せざるを得ない。ことしは制限がかかって数はとれないし、単価も上がらなかった。どうすればいいのか」と頭を抱えた。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。