陸自配備の賛否を問う住民投票条例案を否決 市議会特別委
- 2019年05月15日
- 政治・行政
平得大俣への陸上自衛隊配備の賛否を問う住民投票条例案を審議している石垣市議会の特別委員会(長山家康委員長、10人)は14日、市役所会議室で、与野党が推薦した各3人の参考人から意見を聴取した後、与党の多数で採決することを決めた。この結果、条例案は与党の反対多数で否決された。6月17日招集予定の6月定例会で報告され、採決される。住民の直接請求で提出された前回の条例案は可否同数となり、「議論不足」を理由に議長裁決で否決された経緯がある。6月定例会での各議員の対応が注目される。
特別委は参考人計6人から各5分間、質疑を行わずに意見のみを聴いた。
条例案に賛成の参考人は1万4000筆余りの署名の民意を強調、間接民主主義を補完する直接民主義制度の必要性を訴えた。これに対し、反対の参考人は署名方法に疑問を呈したほか、自衛隊配備に賛成する意見も述べた。
参考人への質疑をめぐっては冒頭で野党側が「議論を深めるために意図を聞く必要がある。質疑のない参考人招致は有り得ない」と要求したが、与党側は「通常の参考人招致とは違い、多くの意見を聞くだけでいい」「参考人を萎縮させる」とするなど意見が割れ、採決の結果、質疑を行わないことを与党の多数で決めた。
参考人招致後の審議でも野党側は「質疑がなく確認ができなかったので委員会の審議が薄っぺらになる」「住民投票に賛成反対の議論を参考人とともに考える機会が失われた。委員会の大きな過ちだ」と反発、質疑を含めた参考人招致を再度要求するなど継続審議を求めた。
これに与党側は「どこまで行っても平行線。われわれは住民投票は必要ないと言っている。結論を出すべきだ」「国防に関することを住民投票で問うのはそぐわない。これまでの選挙で結果(民意)は出ている」などとして要求し、採決に踏み切った。
野党側は討論で「委員会審議は消化不良。もっと議論を深めるべきだ」「陸自配備賛成の意思も住民投票で示せばいい」「主権者の権利を守るのは議員であるべきだ」などと反発した。 参考人招致には36人の傍聴人があり、関心の高さをうかがわせた。
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