カンムリワシを放鳥 西表島高那地区
- 2019年04月12日
- 自然・科学
交通事故から回復
西表島高那地区の県道で交通事故に遭い2月5日に西表自然保護官事務所に保護されたカンムリワシが4月11日、約2カ月間の治療を経て自然に返された。左足に番号「0」が刻印された赤いリングを装着しており、同事務所では「保護活動の貴重なデータとなるので足環をつけたカンムリワシを見つけたときは西表野生生物保護センターまで連絡してほしい」と情報提供を呼び掛けている。
放鳥されたカンムリワシは、路上でカラスに襲われているところを保護され、同センターへ収容された。検査の結果、交通事故に遭ったと診断され、治療の結果、野生復帰が可能との判断で同地区で放鳥された。
カンムリワシは、西表島と石垣島だけに生息しており、環境省の国内希少野生動植物種に指定。国内外の絶滅のおそれのある野生生物の種を保存するため、1993年4月に施行された「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)により規制対象となっている。
両島ではことしに入ってすでに4羽が交通事故に遭い保護され、2羽が死んでいる。記録が残る過去12年間では西表島で39羽、石垣島で84羽が保護され、そのうちの約7割が死んでいる。2018年は両島合わせて13羽が死んで過去最悪の事故死件数を記録。ことしもさらなる輪禍が懸念される。
同事務所では「自動車を運転する場合は法定速度を順守して、カンムリワシなど野生動物との交通事故を起こさないよう注意してほしい」と呼び掛けている。
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