養殖モズク、生産大幅減 暖冬に見舞われ不作
- 2019年04月09日
- 社会・経済
今期、養殖モズクは2018年(前期)に比べ生産量が大きく減少しそうだ。八重山漁協管内では、平年だとこれから5月にかけて最盛期を迎えるモズク漁だが、今期はモズクの生育が悪く、早々と収穫を終えた漁業者もいる。
養殖モズクは前期、八重山全体で2318㌧と過去最高を記録したが、今期はその半分にも満たない可能性がある。漁業者は「昨シーズンが豊作だっただけに、ことしの不作は漁業者にとって痛手」と頭を抱える。
同漁協によると、暖冬に見舞われた今期はモズクの熟度が早く、収穫時期も従来の3月から2月下旬に前倒しされた。
同漁協モズク養殖生産部会では加盟25グループのうち、最盛期を前に収穫を終えた漁業者もいる。漁業者の男性は(36)「モズクが短い状態で熟れるため、弱い根元から切れてしまい流され失敗している漁師も多い。短くても完熟する前に収穫しないと商品にならない」と不作に悩む。
同漁協が取り扱ったモズクの水揚げ量は15年約300㌧、16年約500㌧、17年約700㌧、18年1200㌧と右肩上がりに上昇。今期、同漁協は併設する水産加工施設内のモズク処理機能を水揚げ2000㌧に対応するため改良。伸び率に期待を寄せていたが、減産となると厳しい現状だ。
同漁協の友利邦明市場販売課長は「この調子だと漁協管内の水揚げ量は300㌧前後になるかもしれない」と険しい表情で話した。
県もずく養殖業振興協議会によると、県内全域で高海水温や日照不足により、12月から3月に収穫する完熟前の「早摘みモズク」は不作傾向にあるという。これからピークを迎える太モズクの生産量拡大で挽回を図りたい考え。
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