新しい元号「令和」は多くの国民に…
- 2019年04月06日
- 不連続線
新しい元号「令和」は多くの国民に好感をもたれているようだが、市民からは「命令のイメージ。上からの命令に従えば平和になるという感じを受けるのでイヤだ」(2日付9面)との感想も。陸上自衛隊配備計画を推し進める姿勢と重なるのだという▼万葉集にある「初春令月 気淑風和」を典拠としているが、漢字そのものは中国からの輸入品である。気になったので手元にある、漢字の形とその意味との関係を解説した「常用字解」(白川静著、平凡社)を引く▼「和」は、「禾」(か)と「口」を組み合わせたもので、禾は軍門を立てる標識の木の形、口は神への祈りの文である祝詞を入れる器の形。この器を置いた軍門の前で誓約して講話することを「和」と言い、「やわらぐ、やわらげる、なごむ、なごやか」の意味となる。和は最高の徳行を示す語とされる▼なるほど、それで、これまでの元号にも使われてきたわけだ▼「令」は象形文字で、深い儀礼用の帽子をかぶり、ひざまずいて神託を受ける人の形。従って「神のお告げ」、上位の人の「みことのり、いいつけ、いいつける」の意となる。神のお告げを受け、神の意に従うことから「よい、りっぱ」という意味となり、使役の意味にも用いられる▼元をたどれば、冒頭の感想にもうなずけるものがある。(比嘉盛友)
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