「工事強行を許さない」 陸自配備計画
- 2019年03月13日
- 社会・経済
石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画をめぐり、石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会(共同代表・上原秀政氏ら5人)は12日、市役所前で「工事強行を許さないアピール行動」を行い、カンムリワシなどの営巣・巣立ちの期間の造成工事の中止を防衛局に求めるよう中山義隆市長宛ての要請書を知念永一郎総務部長に手渡した。
要請では「営巣が確認されてからでは手遅れ」と指摘したほか、「3月8日の大雨により、赤土流出の可能性があり、このまま用地造成が進められると環境保全に及ぼす影響が懸念される」として赤土流出対策の現場を確認するよう求めている。
約100人が「防衛省の横暴は許されない」「私たちはあきらめない」「住民投票を」などと書いたプラカードを持参して参加。市役所玄関前で集会を開いた後、外周を一周しながら「自然を壊すな」「基地はいらない」などとシュプレヒコールを繰り返した。
上原代表は「一人の土地所有者と防衛局が契約を結び、住民無視の着工をした。これが国のやることか。基地はまだできていない。撤回してもらおう」と呼び掛け、金城哲浩代表は「カンムリワシは国指定特別天然記念物で市鳥。市のぱいーぐるのマスコットキャラクターでもある。まだ止められる」などと声を上げた。
配備予定地隣接地、開南地区の小林丙次館長は「市長は、国防は国の専権事項と言うが、とんでもない。市民の生活を守るのが市長の仕事だ」と訴えた。
■島外から参加で応酬 市長「地元が混乱する」
平得大俣への陸上自衛隊配備計画をめぐり、1日の抗議集会に島外から参加者があったことに中山義隆市長が「地元が混乱する。良くない」と違和感を示したことに対し、石垣市議会一般質問で12日、前津究氏が「憲法で定められている表現の自由を否定するようなものだ」と批判した。
これに中山市長は「米軍施設に反対運動をしている人が自衛隊配備反対運動を先導する状況は良くないというのが率直な感想。賛成であれ反対であれ、活動家が入ってくれば地元は混乱する。これを止めてほしいと言っている」と反論。
前津氏は「石原元都知事が尖閣を購入しようとしたときに、市長は島のことに口を出すなと言うべきだった」と収まらず、見解はすれ違ったままだった。
集会には、沖縄平和運動センターの山城博治議長が参加。中山市長は報道陣に「辺野古と石垣の問題は別物なので、辺野古で活動している皆さんが石垣で自衛隊反対活動を共にするのは良くない」と述べていた。
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