観光管理の枠組み提示 世界自然遺産
- 2019年02月15日
- 地域・教育
【西表】2020年に西表島の世界自然遺産登録を目指している沖縄県、竹富町は、自然体験フィールド内での観光管理の枠組み(素案)をまとめ、島内で13日夜開催した2018年度第2回適正利用とエコツーリズム推進体制構築に向けた検討会(委員長・花井正光NPO法人沖縄エコツーリズム推進協議会長、34人)に提示した。立ち入りを制限するなどの保護措置を可能とする「特定自然観光資源」を指定する内容となっている。
推薦区域の2万822㌶が登録された場合、原則として観光利用を目的とする入域は不可となるが、同区域内では現在、エコツアーを展開しているガイド事業者もいることから条件付きでの入域を許可する計画。
ヒナイ川や西表縦走線など各フィールドごとに▽立ち入り期間の限定▽立ち入り人数の上限の設定▽町が認定した登録ガイド同行による入域—など立ち入り制限を検討する。エコツーリズム推進法に基づき自然生態系を保護する措置で、エリア内の自然を汚損・除去などした際は罰則がある。
委員からは、立ち入り許可の手続きについて質問があり、事務局は具体例の一つとして「年に数回申請時期を設け、特定エリアや立ち入り時期にかかるものを指定して登録ガイドの方に選んでもらう。当日申請を少なくすることで過剰利用によるフィールドの負担を軽減できる」と説明した。
別の委員からは、現段階で立ち入り制限の必要がないとされている仲間川と浦内川の利用について「誰でも入れるため観光客が集中し、渓流環境が守られなくなる」と懸念の声が上がった。両川では年間それぞれ約20万人、3万人の利用があるという。
町は次年度、エコツーリズム推進協議会を立ち上げ、観光管理の枠組みのほかガイド養成やモニタリング手法なども盛り込んだ全体構想を策定する方針だ。
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