着工前に対立激化 防衛省説明会
- 2019年02月14日
- 社会・経済
「説明になっていない」「ちゃんと答えろ」—。防衛省沖縄防衛局が13日夜、開催した「石垣島駐屯地」(仮称)の建設に伴う住民説明会。着工前の危機感から反対や疑問の声が圧倒的に多い。同省の説明に納得がいかず、怒号ややじが飛び交う。まだ手が挙がっていたが、午後8時半の終了時刻を10分ほど過ぎた時点で質問は打ち切り。終了後、推進派が反対派に怒鳴る場面も。これまで以上に「対立」の色を濃くした。
配備の是非をめぐっては「中国は圧倒的な軍事力を持っている。石垣島が攻撃されれば全滅する。島民が犠牲になる」「配備しないほうがより安全。武力で解決するのは古い考え方だ」「中国は弱いところに入ってくる。このまま平和が続くと思ったら大間違いだ。中国にその気を起こさせないための防備が必要だ」「配備しない空白状態の中で生きるのは心配だ」などとこれまで同様、賛否が割れた。
配備に反対あるいは疑問視する住民は、質問に対する回答に納得せず、「まったく答えておらず、無責任だ」「ごまかすな」「めちゃくちゃだ」「住民を無視している」「ふざけるな」「情けない」と怒りをぶつけた。
説明会終了後、住民投票を求める会の金城龍太郎代表は取材に「怒ったり、怒鳴ったりするなどピリピリした雰囲気だった。この状態は着工しても変わらないと思う。住民間の亀裂をどう修復するか、防衛省はどう考えているのだろう。僕たちはこの手段として住民投票を考えている」と住民投票実施の必要性を強調。
住民投票について防衛省は説明会で「地方自治のことなのでコメントは差し控えたい」と回答したことにも触れ、「住民投票に反対する市議は国のことなのでそぐわないと言っているが、国のほうは地方自治を尊重している。国に気を使わなくてもいい。僕たちは地方自治のことだけをやっていればいいんだと思った」と語った。
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