「可決を信じていたのに」 求める会、呆然自失
- 2019年02月02日
- 社会・経済
「議長は否決と採決する」。平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票条例案が可否同数となり、平良秀之議長が議長裁決で否決を決めると、傍聴席は一瞬あっけにとられた。「頭がまっ白で言葉にならない」。条例制定に向け、署名集めに奔走した住民投票を求める会(金城龍太郎代表)のメンバーは呆然自失、「最後まで可決を信じていたのに」と顔を覆った。
「1万4000人余りの市民の応援、協力をいただき、ありがとうございました。僕たちは形として実現できず、すいませんという思いと残念という思いがある。皆さんに残念な思いをさせて心が痛い」。
新しく構えたばかりの事務所=石垣市石垣=での会見。金城代表(28)は悲痛な表情を浮かべ、署名協力者への感謝と謝罪の言葉を重ねた。
署名運動では地方自治法に基づく50分の1ではなく、市の自治基本条例に基づく4分の1以上の署名を目標に設定、そして達成した。「本来なら議会を通さずに実現できる権利があったのに、条例の不備で実現できなかった。市民発議の思いをくみ取ってもらえなかった」と徒労感をにじませた。
伊良皆高虎さん(28)=於茂登=は「最終的には可決されると、心のどこかで信じていた。市民の思いを反映させることがこんなに難しいのか」、通﨑彩子さん(46)=も「これだけの声がどうして届かないのか。逆に何をすれば声が届くのか」と首をかしげ、宮良央さん(28)=白保=は「ショックで何と言っていいか分からない。悲しいし、信じられない」と落胆の色を濃くした。
金城代表は「これが正常なあり方ではないと信じたい。議員の胸の内までは分からないが、政治的な駆け引きで決断したように見えた。僕たちは蚊帳の外の外にいる気がした。市民と向き合ってほしい。もっと愛とユーモアで人間味のある議論をしてほしかった」と残念がった。
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