病院線3月赤字を負担
- 2019年01月31日
- 社会・経済
試験運行は来月末まで
㈱東運輸(松原栄松代表取締役社長)が昨年12月から試験運行している八重山病院線は、ことし1月までの1便平均の最大乗車人数が4・2人と伸び悩み、赤字運行が続いている。試験運行は2月末で終了することから、路線継続に向け石垣市は3月の1カ月間限定で、同路線の赤字額全額を負担する暫定措置を実施する。これに松原社長は「企業の経営面から現状では運行が厳しい。試験期間終了後の運行は社内で検討する」と述べるにとどめた。
赤字路線に対する石垣市の行政負担は30日午後、市健康福祉センター検診ホールで開かれた石垣市地域公共交通協議会(副会長・大得英信市企画部長)で報告。交通弱者対策の観点と運行会社の赤字対策を担保した継続運行を求める意見が相次いだ。
ただ、東運輸がまとめた利用者実績によると、診療日がある平日利用が12月563人、1月429人。休診する土日祝日は12月100人、1月95人と少ない。
一日7便運行している同路線の一日平均乗車数は12月が21・4人、平日1便4・2人、土日祝日1・2人。1月は18・1人、平日1便3・8人、土日祝日1便1・0人と落ち込み、同社の採算ベースである1便当たり10人を大きく下回り、毎月の赤字額は30~35万円に膨らんでいる。
同社と同協議会は利用者の掘り起こしに向け1月28日から運行時刻を30分から1時間早め、利用者の動向を注視している。
この日の意見交換で市側は継続運行の方向性について「赤字を運行会社が負担するのは行政手法として違う」と試験運行後の1カ月間に発生した赤字を全額負担することに言及。次年度からの継続運行には「生活バス路線を維持する県の補助金がある。議会の承認が必要だが、予算を確保するまで市が赤字分を債務負担する考えもある。経路も要望がある市街地西側に距離を伸ばすなど工夫したい」と提案した。
松原社長は「来月で試験運行は終わるが、交通弱者への配慮は必要。次年度の運行は市と協議しながら検討したい」と前向きに検討する考えを示した。
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