中国からの直接寄港始まる クルーズ船
- 2019年01月13日
- 社会・経済
中国からの直接ルートで石垣に訪れ、用意された51台の貸し切りバスに向かう中国人観光客=12日午後、石垣港新港地区旅客船ターミナル
2月までに8回予定
中国の厦門(アモイ)を発着港にクルーズ船スーパースターヴァーゴ(総㌧数7万5338㌧、全長268㍍)で石垣島と宮古島を周遊するクルーズ観光が12日から始まり、初日には中国人客2176人が来島、島内の主要観光地はにぎわいを見せた。団体旅行の傾向が根強い中国からのクルーズ客に対し、この日は貸し切りバス51台が予約され、昨年4月に南ぬ浜町で暫定供用を開始した石垣港新港地区旅客船ターミナルでは過去最多の配車数となった。市港湾課によると、ヴ号による中国からの直接寄港は2月までに8回予定され、約1万6000人の来島を見込んでいる。
石垣へのクルーズ観光は昨年までと違い、中国から石垣や宮古に直接乗り入れる周遊コースが新設された。ヴ号による石垣への直接寄港は初のケースで、厦門に加え上海からも予定され、中国人観光客が大幅に増える見通しだ。
厦門から石垣へ直接寄港を実現させた㈱九州国際の孫雪(ソン・セツ)宿泊手配部長は「宮古島へ3年間、クルーズチャーターを展開しながら、新たなチャーター観光として石垣への寄港を計画してきた。自然豊かな石垣への誘客で満足度を高め、つながりを深めたい」と今後の展開に期待を寄せた。
島内のバス観光は、川平湾でのグラスボート乗船や鍾乳洞、免税店などを巡るコース。ただ、乗客は下船して昼食をとる時間がないことから船内で済ませており、「ランチ消費」を求める地元業界の声もある。
川平湾入り口の飲食店「島の駅カビラガーデン」で、石垣島マグロの解体ショーで外国人観光客の取り込みを行っている㈲石垣島ショッピングプラザの山内昌一郎専務取締役(39)は「解体ショーによる集客効果は高いが、狙いは島の特産物をPRすること。食を通して川平に訪れる国内外観光客の滞在時間を伸ばし、地域経済へ波及させることは重要。中国から新規で訪れるクルーズ客には期待している」と話した。
二次交通の増加も予想されており、東運輸㈱は「貸し切りバスの利用が増えて業界には良い影響だが、交通渋滞に配慮しなければならない。時間帯で観光ルートを変え、観光地にクルーズ客が大挙しないように対応している」(久場島清俊常務取締役)と工夫。
継続寄港に孫部長は「5月にも別のクルーズ船で直接寄港を予定しているが、きょうのような雨天時の乗客対応や貸し切りバスの増車は必要」と指摘する一方、「寄港を通して中日文化の懸け橋を築きたいと考えている」と前向きだ。
石垣へのクルーズ船は2日から台湾基隆を結ぶスーパースターアクエリアス(総㌧数5万1309㌧)から始まり、ことしは計158回の寄港が計画されている。
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