大工さんに宮良長包音楽賞 「沖縄音楽の活性化に努めたい」
【那覇】第16回宮良長包音楽賞・特別賞の贈呈式と祝賀会(琉球新報社主催)が10日、那覇市の琉球新報ホールで開かれ、石垣市出身の大工哲弘さんが宮良長包音楽賞、Kiroroが同特別賞を受賞した。郷土が誇る作曲家・宮良長包を顕彰し、沖縄音楽の発展と活性化を図る目的で2003年に創設された。
贈呈式では、琉球新報社の玻名城泰山社長から賞状とブロンズ像が手渡されたほか、石垣市からみんさー織が贈られた。
大工さんは「沖縄の文化や音楽が本土から見下されている時代の中で宮良長包先生は民謡をアレンジしたりして子どもたちに教えた。また、沖縄で初めてオーケストラをつくったり、男女混声合唱団をつくるなど先取りした業績は素晴らしい。受賞にあたり宮良長包先生の意を少しでも引き継いでこれからは賞に恥じないように微力だが沖縄音楽の活性化に努めていきたい」と話した。
大工さんは、1948年石垣市新川生まれ。八重山民謡を山里勇吉氏に師事。県内外で多くのコンサートに出演したほか、ヨーロッパや北中米、東南アジア諸国など世界各地でも公演を行い、世界中の民族音楽家やジャズ、ロックミュージシャンなどとも共演を果たしている。
八重山民謡教室の支部を全国に持ち、沖縄・八重山民協の普及・育成にも力を注いでいる。
昨年は、「八重山歌謡全集」を全国一斉リリース。大工氏が歌う八重山古典民謡など全177曲が収録されたほか、総ページ160にも及ぶ曲の解説も手掛けた。
99年に県無形文化財八重山古典民謡保持者、2015年には琉球民謡音楽協会名誉会長と県民謡合同連合会共同代表に就任した。
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