イリオモテヤマネコ交通事故 過去最多に並ぶ7件
- 2018年11月28日
- 自然・科学
西表自然保護官事務所と竹富町
国の特別天然記念物で絶滅危惧種IA類のイリオモテヤマネコの交通事故発生件数が、過去最多に並ぶ7件となったのを受け環境省西表自然保護官事務所と竹富町は27日、竹富町役場で「非常事態宣言」を発表した。2008年以降、交通事故件数は増加傾向にあり、ことしは11月26日時点で最多だった16年と同数。最多の更新を防ぐため両機関は、関係機関と連携して島の県道脇の草刈り、ヤマネコ緊急ダイヤルを明記したシール・マグネットの配布や設置を通して普及啓発を行うことにしている。
ことしの交通事故件数は5月2件、1月、4月、6月、9月、10月に各1件。このうち、5件で死んでいるのが確認され、車と接触後、現場から逃げ、行方が分からない個体もいる。
記者発表を前に、25機関・団体で組織する「イリオモテヤマネコの交通事故発生防止に関する連絡会議」が27日、開かれ、今後の対応として▽レンタカー内に貼り付けるシールの配布、固定式看板にヤマネコ緊急ダイヤルを明記したシールの掲示▽外国人観光客向けの英語版マグネット、配布用チラシ・ポスター作製▽県と連携した県道の繁茂状況の改善▽必要な活動を支えるために竹富町イリオモテヤマネコ保護基金(812万円)の活用▽アンダーパスの点検・清掃作業—を確認した。
同事務所は、事故当事者の証言から、道路に飛び出すヤマネコを発見しやすいよう草刈りの必要性を訴える。継続的に行えるよう作業人員に町の地域おこし協力隊も検討している。
直近の草刈り作業は関係機関に声を掛け、来月12日に実施する。
同事務所の北浦賢次自然保護官は「事故の当事者、発見者の連絡体制の強化が必要」、町の通事太一郎政策推進課長は「事故防止に向けた連携を図るため、情報を共有していきたい」とそれぞれ話した。
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