「市民を騙してきた」 陸自配備
- 2018年08月23日
- 社会・経済
平得大俣4地区住民
平得大俣地区への陸上自衛隊配備計画をめぐり、周辺4地区が22日、「市長は4地区住民との約束をほごにして謝罪も反省もない」「『ミサイル基地なら反対する』は詭弁(きべん)だ」などと声明を出したのは、中山義隆市長のこれまでの言動に対し「最初から市民を騙(だま)していたのではないか」という強い疑心があるからだ。経緯を振り返る。
中山市長は2016年の12月定例市議会で、受け入れ可否の判断を行う前に反対している4地区住民とも話し合うと答弁。しかし、調整がつかなかったとして同26日、「配備にかかる諸手続きの開始を了承する」と事実上の受け入れ表明を行った。
これについて4地区は「市側と正月以降で日程をすり合わせるべく、話し合いをしてきたが、中山市長はこうしたやりとりを一切無視した」と指摘。
さらに手続き開始了承を「正式な受け入れ表明ではない」としたことについても「分かりにくい説明をしてごまかした」「実際この一言によって、防衛省は測量を開始すると宣言するなど、計画がなし崩し的に進められようとしている」と批判する。
ことし3月の市長選では中山市長が「ミサイル基地なら反対する」と発言、「ミサイルとは大陸間弾道ミサイルのことで、石垣島に配備されるのはミサイルとは言わない」との解釈を示していた。
4地区は「『市長も基地に反対なんだ』と安心された市民もいたことだろう。多くの識者が指摘するように、また素人目からしても、本市に配備される武器類はミサイルそのもの」と断じる。
中山市長はことし7月18日の会見で「協力体制を構築し、適正に行政事務手続きを進めることを(臨時庁議で)確認した」と報告した際、「受け入れ」という表現を使わない理由として「配備計画は国の専権事項なので受け入れないという判断は基本的にない」との考えを示した。
これにも4地区は「『市民の意見を聞いた上でしかるべき時期に判断にしたい』と常々言っていたはず」として矛盾点を指摘、「このような言葉遊びで市民を愚弄(ぐろう)するのはやめにしませんか」と訴える。
その上で「つまり、受け入れる、受け入れないという判断はしないということ。4地区ひいては石垣市民は、市長がどう判断するか注目してきたが、現時点での回答はまさかの『判断』しないという無責任極まる態度。中山市長は最初から市民を騙していたのではないか」としている。
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