「地元の意見無視された」 風景計画・景観地区
- 2018年04月07日
- 社会・経済
川平公民館、撤回活動展開へ
石垣市は6日、風景計画・都市計画景観地区(川平・観音堂)変更原案の縦覧を開始した。景観地区の現行高さ制限を維持するよう求めている川平公民館の高嶺善伸館長ら役員は同日、公民館で会見し、3日夜の住民説明会で安里行雄建設部長が「いただいた意見を持ち帰って整理し、上司に伝えたい」と発言していたことに触れ、「原案にがくぜんとした。本当に上司に報告して内部で検討したのか。地元の意見が無視された。遺憾の意を表明したい」と抗議。公聴会での意見陳述、署名活動、反対集会のほか法的手段も視野に原案撤回に向けた活動を展開する考えを示した。
今回の変更について理由書は▽防災意識の高まりに伴う、津波対策のために建築物の高さかさ上げを求める声▽観光客の増加に伴う、入域観光客の受け入れ態勢の充実—を挙げている。
高嶺館長は「150万人を想定した観光基本計画では自然環境を大事にすることが最も肝要と述べており、景観地区を見直してでも施設が必要だというくだりはない。海岸線からわずかな距離に避難場所があるため、海岸縁に高層の建物を造らなければ防災対策ができないということではない。変更理由には到底理解できない」と主張。川平湾が国の名勝に指定され、ミシュランガイドで三つ星に評価されていることから、国内外の理解も得られるとの考えを示した。
高さ制限が緩和された場合、川平集落北側で高級リゾートホテルの建設を担う業者が7~8階建て(27~30㍍)の高層化を計画していることについては「市が高層化のために変更作業をしているとの印象を強く持った」と疑念を示し、「住民を置き去りにした行政手続き。原案を強行すれば住民自治が否定され、後世に犯罪的な行政ミスを残す」と批判。糸数靜雄前館長も「誰のために見直しをしようとしているのか、しっかり訴えたい」と述べた。
一方、景観地区以外の主に山、海、川を有する自然風景域でも、現行の7㍍から13㍍を超える場合は景観形成審議会の意見を聞くとのただし書きが加えられており、高嶺館長は「石垣島の海岸線すべてが7㍍以下の制限がなくなる。石垣らしい景観、自然環境を大きく変える潮目になると危機感を感じている」と述べた。
縦覧は19日まで。都市建設課、市政情報センター、市立図書館、市健康福祉センター、ホームページで閲覧できる。公聴会は20日午後2時から市役所2階会議室。6日から13日まで公述の申し出を受け付ける。
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