クルーズ船専用岸壁、4月下旬に暫定供用—南ぬ浜町
- 2018年03月21日
- 社会・経済
南ぬ浜町に姿を見せ、暫定供用を控える長さ295㍍、水深9㍍のクルーズ船専用岸壁。エプロンには八重山ミンサーの「五と四」のかすり模様が施されている=11日午後(小型無人機で撮影)
20年春に全面開始予定
新港地区の南ぬ浜町で整備が進んでいる20万㌧級クルーズ船対応の専用岸壁(全長420㍍、水深10・5㍍)は、4月下旬に暫定供用を予定している7万㌧級クルーズ船の受け入れ可能な長さ295㍍(水深9㍍)岸壁の姿が見えてきた。石垣港湾事務所によると、専用岸壁は段階的に拡張して20年春には全岸壁の供用開始を計画している。石垣市は18年度に雨天や日よけ対応の乗船客専用通路と待機するバスやタクシー乗務員用のトイレを整備する。残るターミナルビル建設に市港湾課は「国有地なので国と調整し、民間活力も視野に検討中」と話した。
暫定供用が予定されている295㍍の岸壁には、八重山ミンサーの「五と四」のかすり模様がエプロン(182㍍)に施される。今後は両側に岸壁とエプロンを延長し、20万㌧級のクルーズ船と2隻同時寄港に対応した全長420㍍の旅客船ターミナル整備事業が完了する。
今回の暫定供用に続いて19年春には、暫定供用される桟橋を45㍍延長した長さ340㍍(水深9㍍)、20年春には全長420㍍の全岸壁が、水深10・5㍍で供用開始を控える。
市は次年度に沖縄振興特別推進交付金(沖振交)1億2450万円で乗船客の雨天時対策などとして可動式通路「エプロンルーフ」、新港地区緑地公園と同規模のトイレを整備する。
石垣市地域公共交通協議会(会長・漢那政弘副市長)によると、乗船客の移動手段として民間バス会社が岸壁と離島ターミナルを結ぶ有料シャトルバス運行を計画。金額は1人200円(片道)、船舶の乗船客数に合わせて運行本数や車両の大きさを変更する予定で、暫定供用開始に向けて受け入れ整備が活発化している。
石垣へのクルーズ船寄港は右肩上がりに伸びており、17年は過去最多の132回(前年比39%増)。沖縄総合事務局によると、18年は158回(同比20%増)の寄港が予定されている。観光業界は「新バースは現在の港と違って市街地と距離が遠い。人的輸送など人の動線も含めて今後、浮き彫りとなる課題に早急に対処することがクルーズ需要の取り込みにつながる」と指摘した。
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