旧与那国家の保存活用計画策定へ
- 2018年03月16日
- 社会・経済
「なごみの塔」修繕も登頂できず
一般質問最終日を迎えた竹富町議会(新博文議長)3月定例会は15日、三盛克美氏と新田長男氏が登壇した。新田氏は竹富島の国指定登録有形文化財の保存・活用をただし、竹富町教育委員会の新盛勝一社会文化課長が「『旧与那国家』の保存活用計画書が文化庁で最終確認されており、本年度内に策定される」と報告した。
旧与那国家住宅は、竹富島伝統的建造物群保存地区の核となる住宅で、2007(平成19年)に重要文化財(重文)に指定。竹教委は同計画策定に向けて、計4回の策定委員会を開催してきた。
新田氏は「整備・修復して10年。ずっと話し合ってきたなかで、やっと利活用方法が確定する。一般公開や勉強会ができることで良いか」と質問。
新盛竹教委社会文化課長は今後、指定管理者の選定を含めて竹富公民館や地元NPO法人と協議する考えを示した。
同じく重文で、現在は登頂が禁止されている「なごみの塔」については、新盛課長が「補助事業で修復改善しても、文化財としてのコンクリート建造物の修繕方法が確立されていないのが現状。修繕後も塔への上り下りができないと国や県から報告を受けている」と答弁した。
新田氏は、町の目指す滞在型観光も取り上げ、「島での宿泊を希望する観光客も朝一便の飛行機に間に合わない理由から石垣で泊まるケースが多い」と述べ、夏場など繁忙期に島発の早朝便開設を要望。
西大舛髙旬町長は「新田議員と全く同じ考え。船会社と相談しながら、離島でも泊まれる態勢をつくりたい」と応じた。
この日、質問を予定していた上盛政秀氏は質問を取り下げた。
【竹富町議会一般質問要旨】
▶由布島の防災計画
三盛克美氏=津波発生時など由布島の来島者数に見合った計画があるのか。平成30年度当初予算で計上されている内容は。
通事太一郎政策推進課長=例年2、3月がピークで1日最大1000人近く。多い時は1500人ほど。
東金嶺肇防災危機管理課長=調査委託費を計上。コンサルと一緒に地元と相談して、シェルター設置か避難タワー建設などを18年度中に取りまとめたい。
▶郷土学習
三盛氏=八重山は素晴らしい星空が資源。石垣市とともに星空保護区も目指す中で、星空を学習資料にしてはどうか。
前三盛敦竹教委教育課長=星空学習は夜間なので地域協力や人材、予算が伴った上での展開になると思う。教育委員会主催の宿泊学習やサマーキャンプで専門家を招いて実施できれば。
▶西表西部地区のATM設置
三盛氏=ATM設置できない理由は。祖納地区のATMを上原港近くに移動することはできないか。
通事政策推進課長=これまでゆうちょ、沖縄・琉球・海邦銀行に交渉し、採算性や安全面から難しいとの答え。上原への移動も正直難しい印象。
▶竹富島の水道計画
新田長男氏=送水管など老朽化が進んでいる。貯水量も増やす必要性がある。
前石野裕和水道課長=平成32年度に石垣—竹富間海底送水管の更新工事。同年には貯水量430㌧に更新される予定。配水池の設置も用地取得に努めたい。
▶道路整備計画
新田氏=竹富島の整備計画は。竹富診療所前の道路舗装を求める声もある。
大盛聰まちづくり課長=平成29年に9号線の概略設計を行い、30年度には実施設計をもって県に補助事業を申請する。
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