フォーラム 自然と共生、地域づくり確認
有識者らが対策討議
【西表】ことし夏に控える西表島を含む「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録に向けて、沖縄県のフォーラム「西表島らしい世界自然遺産のあり方」が12日夜、中野わいわいホールで開催された。有識者や地元自然保護・観光団体の代表者ら8人が自然保全対策などを討議。島独自の自然価値や課題を知ることがスタートラインとなり、自然と人間が共生できる地域づくりにつながることを確認した。
NPO法人トラ・ゾウ保護基金(JTEF)西表島支部やまねこパトロールの髙山雄介事務局長は、包括的な観光管理について提言。
エコツアーの拡大でオーバーユースによって自然環境の悪化が懸念される中、髙山事務局長は「現在、島内にある二つのエコツアールールは法的拘束力がなく、規制されるエリアも限られている」と限界を示し、条例に基づいた島全域が対象のルール作りの必要性を強調した。
また、遺産登録後には現在の2倍となる70万人の入域観光客数が見込まれていることから、「実際に受け入れ可能なのか真剣に考えなければならない」と総量規制の検討を促した。
竹富町観光協会で、西表島世界自然遺産研究委員会の中神明委員長は「遺産登録を含めて地域づくりが重要。ここ数年、観光客数や観光業者数も増えていることも含めて、地域住民にとって安心安全な良い島でないといけない」と主張。これまで島民らから指摘が相次いでいた遺産登録関連情報の周知徹底を改めて求め、「きょうも残念ながら空席が目立つ。もっと来てもらって、自分たちの問題として感じて考えてほしい」と話した。
世界自然遺産登録の先行事例として、東京都小笠原村役場環境課の鶴田典之環境係長が基調講演に登壇。2011年に登録された小笠原諸島の生態系保全と村民生活の両立に向けた取り組み紹介などもあった。
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