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「辺野古」移設加速へ

名護市長選、安倍政権支援の容認派が当選

 ■工事進ちょくで諦め

 全国的にも注目された名護市長選は米軍普天間飛行場の辺野古移設を推進する政府与党が全面支援した前市議の渡具知武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=が初当選した。これに対し翁長知事が支援し3選を目指した現職の稲嶺進氏(72)の移設反対の訴えは、護岸工事が進む中で市民の間に広がった「あきらめ」ムードや地域経済の閉塞(へいそく)感を払拭(ふっしょく)できず届かなかった。

 これにより政府は昨年4月に着手した辺野古の護岸工事をさらに加速し、夏には土砂搬入による埋め立てに踏み切る見通しだ。その上で県民に「もう工事は止められない」とさらに諦めを植え付けて11月の県知事選で敵対する翁長知事を引きずりおろし、一気に工事を進める構えだ。

 これに対し翁長知事を誕生させた移設反対の「オール沖縄」勢力は、直前の南城市長選勝利で反転攻勢の足掛かりをつかんだはずが、「絶対に落とせない本丸」の名護で敗れたショックは計り知れず大きい。知事選に向けどう態勢を立て直すか、再選戦略は知事が自らの進退を含めて極めて厳しいものとなる。当面は3月の工事差し止め訴訟の判決がどう出るかだ。

 ■政権挙げて民意つぶし

 それにしても安倍政権は、アメリカのためになぜそこまで「沖縄の民意つぶし」をするのだろうかとその異常さにあらためて憤りを感じる。

 過去4年の選挙で沖縄は名護市長選以来何度も「辺野古移設ノー」の民意を突きつけてきたが、安倍政権はこれを一切無視して護岸工事に着手。機動隊や警察、海保が反対市民を排除して工事を進める一方、県予算も毎年削減しての「兵糧攻め」で名護市民や県民の諦めムードを醸成してきた。

 そして今回の名護市長選では、政府与党から菅官房長官や小泉進次郎氏らをはじめ、その政治理念が良くわからない今回推薦に回った公明を含め大物政治家が続々投入され、長い分断に苦しむ地元住民の思いをよそに国政選挙以上の物量で組織選挙を展開した。

 この異常とも思える政権を挙げた選挙戦に翁長知事は、「政府と考え方が違うからといってこういう形で押しつぶすのは許されない」と反発したが、結局「国に逆らうな。ひれ伏せ」とばかりに押しつぶされた形になった。

 そこにあらためてこの国の民主主義と地方自治をないがしろにする安倍政権の怖さを痛感。さらにその異常さを多くの国民が自らの問題とせず、黙認するこの国の行く末にさらに強い不安を感じる。新たなうねりが必要だ。

 ■民主主義と地方自治軽視

 安倍政権は名護市長選の勢いに乗って石垣、沖縄、豊見城、那覇の各市長選で勝利を重ね、知事選の勝利につなげたい考えだ。来月に迫った石垣市長選は保守分裂の三つどもえがほぼ確定したが、自衛隊配備が争点だけに現職の3選に全力を挙げる構えだ。

 これら一連の選挙と11月の知事選でオール沖縄勢力が敗退することになれば、沖縄の反基地運動と民主主義と地方自治を守る戦いは一気に萎みかねない。となれば沖縄は基地だらけだ。知事死守には石垣市長選が反転攻勢の口火となる。党中央や県連から保革入り乱れての総力戦も予想される。

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