外来生物シロアゴガエル、船浮で捕獲 ことしで2匹目
【西表】在来の生態系に影響を及ぼす恐れのある特定外来生物の一つ、「シロアゴガエル」のオス1匹が7月22日、船浮地区で初めて捕獲された。環境省西表自然保護官事務所がこのほど発表した。同カエルが西表島で捕獲されるのは、ことし2匹目。捕獲後の継続調査の結果、繁殖や卵などは確認されていない。同事務所は「船浮集落に定着している可能性はかなり低い」としながらも、「引き続き警戒が必要」と話している。
捕獲された個体は成体で、体長55㍉。7月20日午後8時20分ごろ、同地区でのコールバック調査中に鳴き声を確認。2日後の22日午後8時15分ごろ、同カエルの鳴き返しがあり、枯れたアダンの葉にいる個体を視認、防除した。
同事務所によると、捕獲時、すでに成体だったことから、資材等に紛れて侵入した可能性が高いという。
シロアゴガエルは東南アジア原産のアオガエル科の1種で、4~11月までを繁殖期間とする。石垣島では広範囲の定着が認められており、在来生物との生活場所やエサをめぐる競合、新たな寄生虫の感染、また捕食による昆虫類への影響が懸念されている。
同省は2015年8月に上原地区での同カエルの防除活動を開始。ことし9月8日までに成体61匹を捕獲した。
同カエルは繁殖期を終えると発見・対策が困難となるため、同事務所の杉本正太自然保護官は「荷物を運搬する際には、靴や荷物の裏にシロアゴガエルの成体、卵塊がついてないか十分に注意してほしい」と呼び掛けている。
同カエルの鳴き声を聞いたり、木の枝やコンクリート壁面に産み付けられた泡巣を発見した場合は同事務所(84—7130)まで。
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