市指定保全種6種を確認
- 2017年09月03日
- 地域・教育
条例で捕獲・採取禁止
陸上自衛隊配備先予定地に囲まれた私有地で、前石垣市自然環境保全審議会会長の渡辺賢一氏が動植物の調査を行ったところ、ヤエヤマクマガイソウ(ラン科)など市指定の保全種が6種生息しているのが確認された。調査を行った場所は畑と森林が混在していたが、予定地内の市有地は広大で大部分が森林で覆われていることから、渡辺氏は「市有地にはさらに多くの保全種が生息している可能性がある」と指摘している。
市は2015年5月1日、動物20種、植物83種を保全種に指定。基準は▽現に個体数の減少あるいは生息環境の悪化で絶滅のおそれがある▽固有種など分布の特殊性を有する▽希少種の商業取引などにより捕獲・採取圧が高くなっている—ことなど。
自然環境保全条例は保全種の捕獲、殺傷、採取、損傷を禁じており、違反した場合には30万円以下の罰金を科している。通常の維持管理や非常災害のために必要な応急措置などとして行う行為については適用されない。
渡辺氏は5月8日と6月24日、地権者3人の許可を得て、両日とも4時間程度の調査を実施。ヤエヤマハラブチガエル、ヤエヤマセマルハコガメの動物2種と、バイケイラン、トサカメオトラン、ツルラン、ヤエヤマクマガイソウの植物4種をみつけた。
渡辺氏は「条例では捕獲、採取、殺傷をしてはならないとうたっている。市有地は森林環境を残しており、保全種が当然いるだろう。今後の市の対応が注目される」としている。
配備先予定地は46㌶で、うち市有地は23.1㌶。
防衛省は石垣島配備にかかる本年度予算7億の中で環境調査費も確保しているが、沖縄防衛局によると、予算の執行はまだ行われておらず、時期についても未定という。市長の正式な受け入れ表明など、地権者の同意を得て実施されるものとみられる。
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