乳業2社が経営危機 八重山郡内
八重山郡内のスーパーや学校給食などに牛乳を提供している㈱ゲンキ乳業(新賢次代表取締役)と㈱マリヤ乳業(宮良高仁代表取締役)が、生乳生産量の減少と飼料の高騰などを背景に経営の危機に直面している。両社は「販売価格の適正化を図りたい」として値上げを検討。両代表は「島内産牛乳の供給、販売を頑張ってきたし、今後も頑張っていきたい」と述べ、地域に理解を求めている。
農林水産省のデータによると、全国的に乳牛用の飼料価格が右肩上がりで、そのあおりを受けて1996年以降、生乳生産量が減少。輸送コストのかかる八重山はさらに深刻な影響を受けている。
㈱ゲンキ乳業によると、生産量は冬場が多く夏場に落ち込むが、需要は真逆。特に9月から10月にかけては暑さで乳牛が体調を崩すなどの理由で生産量が落ち込むため、スーパーから商品がなくなるケースも。新代表は「乳業界はどこも一緒だが、基本的に需要と供給のバランスが合わない」と頭を抱える。
一方、販売価格は約20年前の大型スーパー進出以降、1個当たり300円(946㍉㍑)が238~248円(同)と下がったまま。
両社が提供している学校給食用の牛乳は、約15年前まで脱脂粉乳やバターなどを水で溶かした還元乳を使用。生乳の生産が減少する夏場も対応できたが、県学校給食会から生乳100%の供給を求められ、不足に拍車がかかる形になっている。
新代表は「復帰以来40年以上供給しているが、今後継続できるのか危機感を持っている」、宮良代表取締役も「同じ気持ち。知恵を拝借し、乳業界で協力し合いながら、消費拡大に取り組んでいけたら」と話している。
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