生ごみリサイクル検討開始 市、循環型社会構築目指す
実機の20分の1規模のテストプラントをし尿処理場に設置し、生ごみをメタン発酵させ、残留物を有機液肥として活用できないか実証実験を行っている石垣市は27日から、市内のホテルなどから事業系生ごみの収集を行うなど、地域循環システムの構築にむけた実践的な検討を開始した。生ごみから有機液肥をつくり、これを活用して栽培された農作物をホテルなどに供給するという「小さな循環型社会」を構築したい考え。2019年3月までに事業として成り立つかどうか検証する予定だ。
本年度は▽事業系生ごみ分別収集方法▽有機液肥の需要量▽地域循環システム▽事業効果—などの検討を行う。
事業系生ごみの収集には現在、ホテルなど3事業所が協力。市は、生ごみ処理費用の削減やリサイクル推進によるイメージアップなど事業者側のメリットも見いだしていく。
栽培実験は農家の協力を得て水稲、カボチャ、ゴーヤを対象に実施。ほ場に応じた散布方法を確立するほか、肥料の成分分析、施肥量の算定、土壌分析、生育試験の評価を行い、ビタミンやミネラルなど生育試験で得られる指標をもとに有機液肥利用農作物としてブランド化を目指す。
ブランド化した農作物を観光資源として活用できるか、生ごみの焼却処分量の削減効果がどの程度があるか、などの事業効果も調査する。
市は28日、健康福祉センターで、関係機関などで構成する2017年度1回石垣島バイオマス事業推進協議会(黒島直茂会長、17人)を開き、今後の取り組みを説明した。来年1月の第2回協議会で結果を報告する予定。
担当者は「生ごみの分別から液肥を利用するところまでの仕組みをつくれば、実機でもできると思う」と述べ、委員からは「事業として成り立つのは収支バランスを考えなければならない」「生ごみの量を確保しなければならない」などの意見があった。
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