2期連続で黒字計上 八重山漁協
- 2017年06月25日
- 社会・経済
2015年度で累積赤字を解消した八重山漁協(上原亀一組合長、組合員324人)は、2016年度決算でも1587万円の黒字を計上、前期余剰金を合わせた1616万円を繰り越した。24日、市民会館中ホールで開催した17年度定期総会で報告した。17年度は1280万円の余剰金を計画する。一方、短期、長期の借入金が約3億円あることから、黒字計上を持続し確実な返済に努めていく考えだ。
16年度は、本マグロ、養殖モズク、ソデイカが不漁だったものの、集魚灯漁業によるマグロ類の水揚げが増加したことなどにより、事業総利益は計画1億65万円に対し1億294万円と102・2%の達成率となった。これに対し事業管理費は1億1042万円で、差し引き747万円のマイナスとなったが、事業外収入の増加で黒字を確保した。
事業別では、メーンの市場販売事業が計画900㌧6億2400万円に対し、1137㌧7億9454円。マグロ類の水揚げ増加や、県・市・竹富町からの輸送費助成(農林水産物流通不利性解消事業)に伴って集荷率が向上したため、計画を達成した。
鮮魚類やモズクなどの加工業は計画440㌧2億1400万円に対し624㌧1億6246万円となり、販売額が下回った。養殖モズク、ソデイカの不漁、買い取り価格の高騰で利益率が低下したことなどが要因。
17年度について漁協は、観光による好調な経済を背景に「魚介類の消費増加に伴う魚価の回復など期待できる要素もある」としている。本年度から5年計画でスタートした「浜の活力再生プラン支援事業」を活用し、平均漁業所得の10%向上に取り組むとしている。
このほか総会では漁業権免許要望案件を承認したほか、南ぬ浜町の旅客船ターミナル整備、小浜航路浚渫工事、竹富町海底送水管更新、西表ー鳩間間海底ケーブルの敷設、ビーチリゾートフサキホテルの遊泳区域拡張計画に伴う岩礁破砕に賛成多数で同意した。漁業補償交渉については理事会に一任した。遊泳区域拡張計画には「岩礁破砕は小さいかもしれないが、これを許せば他のリゾート施設も計画する。生物の調査、影響を調べてから案件を出すべきだ」と反対意見もあった。
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