渡久山町議に辞職勧告
竹富町議会議員の渡久山康秀氏が一定面積以上の土地取引に国土利用計画法が義務付けている届け出を行わず、同法違反を指摘されていた問題で、町議会(新博文議長)は16日、渡久山氏に対する辞職勧告決議案を賛成多数(賛成6、反対2、欠席1)で可決した。決議に法的拘束力はない。閉会後、本紙の取材に応じた渡久山氏は、届け出を行っていなかった事実を改めて認め「県の方から『違反に対する処置はしない』との文書も届いている。辞職には値しない」と述べ、勧告には応じない考えを示した。
同法違反が指摘されている渡久山氏の土地は、西表上原にあり、前町長の川満栄長氏から所有権が移った経緯がある。さらには、去る3月議会で、2014年度に始まった県営かんがい排水事業の導入を巡り、一時は町への転売が水面下で検討されていた可能性が疑われ、取引に至る過程や所有者と町行政との関係性などが問題視された。
決議文では、土地の売買契約後から一定期間内に届け出を定めている同法を挙げ、渡久山氏に対して「違反の大過を犯した」と問題視し、「政治的地位を利用して公共事業に不当に介入し、町民に多大な不安と不利益を与えた」と指摘。「町民の期待を裏切り、町議会の名誉を傷つけたもので、看過できない」と辞職を促している。
町議会による辞職勧告は、前町長の川満氏に対する決議が可決された14年の6月定例会以来。
今回の決議案は、三盛克美氏が提案。採決では、三盛氏、新田長男氏、仲里俊一氏、東迎一博氏、上盛政秀氏、大久研一氏の6人が賛成し、山盛力氏と那根操氏の2人が反対。質疑と討論についても諮ったが異議は出なかった。渡久山氏は退席した。波照間純一氏は病気療養中のため、議会を欠席している。
閉会後、渡久山氏は同法が定める届け出に「取引時には町からアドバイスもなく、知らなかった」と述べ、「いろんな人から話を聞くと、届け出について企業は知っているが、個人は知らない人も多いようだ」と説明した。
また、先月に届け出を県に提出したことを明かし、その後の対応には「始末書を求められたので、届け出について把握していなかった旨と今後は法令を順守する、という内容で県に送付した」と述べた。今後は「引き続き議員活動を行っていく」と話した。
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