陸自配備リスク明確にせず 抑止力に疑問視の声
- 2017年06月13日
- 政治・行政
石垣市平得大俣東への陸上自衛隊配備計画について防衛省は11日、市民会館大ホールで住民説明会を開いた。反対する住民からは配備に伴うリスクについて説明を求めたり、抑止力を疑問視する声が相次いだ。「既成事実づくり」として出席を拒否し、市民会館前でプラカードを掲げて抗議する人たちもいた。推進派は「スケジュール通りの配備」を要望した。
同省の住民説明会は3回目で、施設配置案の提示後は初めてとなる。200人余の市民が集まった。
同省側は安全保障環境、部隊配備の必要性などに加え、配備後の地域への協力・経済効果についても説明。配備に対する理解を促進する狙いがあるとみられ、同省整備計画局施設計画課の上田幸司課長は「地元のイベントなどに対する協力、支援もできる」と説明した。
質疑応答では「中国の脅威論を煽(あお)っているが、経済的抑止があるので中国は戦争を仕掛けられない」との指摘に対し、「中国の脅威に対しては外交による対話とともに抑止能力を高める必要がある」とした。
陸自配備に伴う住民のリスクについては「いつどういう事態が起きるか想定しなければならない」などと述べるにとどめ、質問者からは「リスクをはっきり言え」と怒号が飛んだ。
住民投票で反対が過半数を獲得した場合の対応について「仮定の話に答えるのは難しい」と言及を避けた。
防衛の空白地帯については住民から「国際人道法は非武装の島を攻撃するのを禁止している。空白地帯でいるほうが平和、安全だ」との意見があり、同省は「力の空白地域があると不安定要素になると考えている」と必要性を強調した。
推進派からは八重山防衛協会の三木巌会長が発言、「日本の安全保障のためぜひスケジュール通り配備を進めてもらいたい」と要望した。
反対する住民の質問に対し、推進側からやじが飛び交う場面もあった。
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