「政治の不当な介入に影響」
子どもと教科書を考える八重山地区住民の会(共同代表・仲山忠亨氏ら9人)の黒島精耕共同代表ら4人は17日午後、石垣市教育委員会を訪れ、石垣市の中学生向けの副読本「八重山の歴史と文化・自然」を継続刊行するよう要請した。
要請書では、市教委が刊行・配本の中止に挙げている『見解が分かれている事案や、定説となっていないために論議を派生する事業等を本市中学生の副読本として全生徒に配布することには、市長や市議会、市民の理解が得難い』との判断について「教育内容への政治の不当な介入に影響されたと言わざるを得ない」と指摘。「行政の論理が先行し、教育の公平・中立性を欠き、学びの主体である生徒が置き去りにされていると言っても過言ではない。市教委の判断はあまりにも理不尽」としている。
市教委の定例会に諮られずに刊行の中止が決まったことについて同会事務局員の藤井幸子さんは「本来は中止と決める前にそのような場で話し合い、いわれている内容に本当に問題があるのかどうかを教育委員が考えるべきだ。現状では検討されているかどうかも分からない。正式に定例会で諮って回答してほしい」と要望した。
黒島共同代表は「副読本は八重山の子どもたちにとって非常に大事なものなので、真剣に考えてもらいたい。検討するで終わっては意味がない。その結果どうなり、その理由も含めて納得できる方向で回答してほしい」と求めた。
石垣安志教育長は「要請があったことを今月25日の定例会で報告し、教育委員の意見も聞きながら、議案として諮るかどうかも含めて検討したい」と述べた。
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