イリオモテヤマネコの交通事故防止
- 2017年04月21日
- 自然・科学
高那の県道500㍍に柵を設置
【西表】県は、国の特別天然記念物に指定されているイリオモテヤマネコの交通事故防止対策を具体化させるため、事故が多い高那地区の県道沿い約500㍍の区間にヤマネコの路上進入抑制柵を3月に設置し、4月1日から実証実験を行っている。道路の側溝部分には、ヤマネコを道路外に誘導する「ヤマネコストッパー」が設けられているのが特徴。県は今後、設置場所でのヤマネコの目撃情報を得ながら効果を検証する。
路上進入抑制柵は防風ネットでつくられ、高さが約1.2㍍。ヤマネコをはじめとする動物の道路進入を抑え、道路下に設置しているトンネル、ネコボックスとも呼ばれるアンダーパスへの誘導を狙う。
柵と道路側溝の間に生じる隙間部分にあるヤマネコストッパーは、開閉式の「アクリル板式」と、柵から細いチェーンをつり下げて進入を防ぐ「チェーン式」がある。
アクリル式は、ヤマネコが道路外に出ることができるが、道路内には進入できない構造。チェーン式は、ヤマネコの通り道としての機能を確保しながら排水にも対応できる仕組みとなっている。
実証実験は、県が15年度から作成を進めている「ヤマネコの交通事故防止対策基本計画」に伴う事業で、西表の世界自然遺産登録を見据えた取り組み。路上進入抑制柵など構造物によるハード対策と普及啓発などのソフト対策が柱となっている。
15年度は事故防止に関する課題などを整理し、16年度には路上進入抑制柵の設置と事故防止策に関する住民への意識調査などを実施。17年度はハード対策の効果検証や意識調査の結果をとりまとめて計画を策定する方針。事業費は3年間で約5000万円。
路上進入抑制柵の効果検証に向け、県は、ヤマネコをはじめ、その他の動物に対する影響も把握したい考えで、目撃情報の提供を呼び掛けている。問い合わせは、事業の一部委託先の南西環境研究所(098ー835ー8411)。
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